定年後の仕事 

60歳定年後の【独立・起業】 失敗しても【大怪我しない起業プラン】ポイント8つ

定年後の起業は「大怪我しないプランづくり」が大切


バブル崩壊から2022年までの間は「失われた30年」といわれる日本経済の長期衰退が続いています。(この衰退はまだ終わっていません。いつまで続くかもわかりません)

加えて、この四半世紀だけでも、阪神大震災や東日本大震災、コロナパンデミックなど事業経営に重大な影響を及ぼす外的要因が発生しています。

何が言いたいかというと「もともと起業なんて8~9割は失敗するもの」、いわば「リスクの塊」です。

あなたが若いなら、たとえ大きく失敗しても、もう一度やり直すことは可能でしょう。しかし、シニアが失敗し大きな負債を背負ってしまうと、挽回する時間がありません

それゆえ、失敗を前提とした「大怪我しない起業プラン」が大切になります。

ここでは、失敗しても「大怪我しない起業プラン」づくり、そのポイントを8つ挙げます。

失敗しても「大怪我しない起業プラン」
ポイント8つ
  1. お金をかけない。小さく始める
  2. 働きながら副業で始める
  3. 最小限のリソースで立ち上げる
  4. 低コストの事業スタイル
  5. 店舗が必用な業界・業種は避ける
  6. 飲食店は避ける
    (レッドオーシャン)
  7. 自己資金を使わず、創業融資を活用
  8. サラリーマン時代の経験とスキルを
    活用する

1. 定年後はお金をかけない。小さく始める


とにかく「最初はお金をかけてはダメ」です。できるだけ小さく小さく始める

凄腕の経営者たちの「起業の始め方」を見てみましょう。

凄腕の経営者起業の始め方
カーネル・サンダース
ケンタッキー・フライド
・チキンを創った
(KFC 創業者)
チキンと調理器具を
車に積み込み
飛び込み営業
安藤百福
即席ラーメンを創った
(日清食品創業者)
自宅敷地内の小屋で
即席ラーメンを創る
スティーブ・ジョブズ
マイコンの開発
(Apple Com.創業者)
友人のガレージで
マイコンを開発
前澤友作
衣料品のネット通販
(zozoの創業者)
自宅アパートで
輸入レコード・CD
の通販を開始


起業の始め方をようく見てください。誰もお金をかけていません

凄腕の経営者でも、こうなのです。

お金をかけず小さく始めて、最初の商品やサービスを作る。そして「商品やサービスの売上金」を使って次の投資をする。

このパターンが基本です

とにかく、最初はお金をかけない
できるだけ、小さく小さく始める

小さく始め最初の商品やサービスを作る
その「商品やサービスの売上金」

を使って次の投資をする。これが鉄則!

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2. 50代で働きながら副業で始める



サラリーマンでいることの何よりの強みは、安定した収入が確実に入ってくることです。

とりあえず一定の仕事量をこなしてさえいれば、その収入は保証されます。「会社が嫌い」「仕事がつらい」「上司がクソ」いろいろあっても、給料は入ってきます。これほど恵まれた特権はありません。

起業は、サラリーマンを続けながらスタートすることができますし、そのほうが最終的に成功する可能性も高くなります。

ビジネスは、うまくいかないことがほとんどです。ほとんどが失敗するのです。

だから、サラリーマンとして働きながら「副業」でトライする。ビジネスが軌道にのり、サラリーマンの給料を超えたら独立して専従になる。

もし、あなたが考えているビジネスが副業でやれるなら、ほぼ「ノーリスク」で「起業にトライ」できます。

非常に手堅い方法で、もっとも失敗の確率が低い方法です。

これが一番のオススメです。

塾長 コンドー

副業パターンがもっとも正解だね。だって、失うものが何もない。ノーリスクで起業にトライできる。これっきゃない!

嫁 ツネさん

わても賛成どす! お給金がいままで通りいただけてるなんて。ありがたい話やわぁー!

起業しようと考えているビジネスが、
副業で可能なものならば
「ノーリスク」で起業にトライできる

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3. 定年後は最小限のリソースで立ち上げる


リソース(resource)には「供給源、資源、財源」などの意味があります。

ビジネスでは、業務を達成するために必要な、人材、物資、資金、時間などの「経営資源」を含めて、リソース呼ばれることが多いです。

最小限のリソース(経営資源)で始める


あなたが営業関連やコンサルティングなど、店舗がいらないビジネスを考えているなら、まずは自宅をオフィスにして始めてください。

とにかく「最初はお金をかけてはダメ」です。できるだけ小さく小さく始める

ケチケチで始めてください。

  1. オフィスは自宅を使う
  2. 自宅が無理ならレンタルオフィスを利用
  3. 電話代行を利用する
  4. リサイクルショップを使い、備品は中古品
  5. 最初は「法人登記」せず個人事業で始める
  6. 名刺やチラシは無料アプリで作成

4. 定年後は「低コスト」の事業スタイル


飲食店の開業を例にして、「成功する人」と「失敗する人」、事業スタイルの違いを比べてみました。

独立・起業には「」が必要です。その夢を実現するために、艱難辛苦に耐えて頑張るのです。しかし、夢だけではやっていけません。事業を続けるには利益が必要です。

利益を得るには「売上を上げる」か「コストを下げる」かのどちらか。

すぐにできるのはコスト削減です。売上を増やすことは難しいが、コスト削減はすぐできます。この点は個人でも同じこと。収入を増やすのは難しいが、支出を減らすことは今日から可能です。

成功する人の開店方針
コストを意識した店作り

  1. 10坪くらいの小さなお店
  2. 平日のお客さんの多い時間帯だけ営業する
  3. 従業員は雇わない。一人でやる
  4. メニューの品数を抑える
  5. 省力化・自動化機械の導入に積極的

失敗する人の開店方針
夢を実現する店作り

  1. 個室でゆっくり、幅広いメニューの居酒屋
  2. 仕事で疲れた人の隠れ家的な飲み屋
  3. 居心地のいい癒しの喫茶店
  4. 子供やお年寄りに愛されるパン屋
  5. ボリューム満点お腹一杯の定食屋

どのようなビジネスを始めるにしろ、
「低コストの事業スタイル」
を追求する

5. 60代は店舗が必要な業界・業種は避ける


飲食店などのビジネスで、開業時に必要な資金の目安は以下のとおりです。

開業するお店必要な資金額(目安)
飲食店1000~1,500万円
美容室1000~1,500万円
ラーメン店700~1,000万円
不動産業500~800万円
学習塾500~1,000万円
コンビニ2,000~4,000万円


これらのビジネスは、立地条件が事業の成否に大きく影響するため、自宅では始めにくい。しかも、小さなお店を開くだけで「これだけのお金」がかかるのです。

ゆえに「店舗が必要なビジネス」はシニアには向きません。ヤングまたはミドル向けのビジネスでしょう。

なぜなら、失敗したときに「大怪我を負う」ことになるからです。

店舗が必要なビジネスは
シニアの起業には向かない

6. 60代で飲食店は避ける(レッドオーシャン)


日本は資本主義経済ですから、競争がない業界・業種はありません。比較的競争が緩い業界は「※規制産業」だけでしょう。

※)規制産業とはインフラ(電気・ガス・水道)や金融、通信、医療など、事業を始めるのに免許が必要だったり、行政の監督が厳しい業種のことです。

つまり、どの業種・業界に参入しても激しい競争が待っています。

なかでも飲食業界は廃業率が高く「一年で30%、二年で50%のお店が廃業する」といわれています。

定年前後の素人が「簡単に成功できる」ほど甘い業界ではありません。

塾長 コンドー

廃業率が高いのは分かるけど、利益率が高いという長所もあるんだ。コーヒーの利益率は90%、うどんの利益率は80%。当たればウハウハさ! だから皆が参入するんだよ。

嫁 ツネさn

コーヒーの利益率は90%どすか! あんさん、新選組なんか辞めて、二人でコーヒーショップやらしまへん?

「飲食店の経営が地獄だ」
といわれる5つの理由

  1. 参入ハードルが低いため、ライバルが多い
    • 特別な技術や資格が必要ない。誰でも開業できるため、ライバルが多い
  2. 出店に多額のお金が必要
    • 物件取得や内装、厨房設備に多額のお金がかかる
    • 飲食店の種類によるが、500~1,000万円はかかる
  3. お店の場所を動かせない
    • 物件取得や内装にお金がかり、一度出店したら動けない
    • 近くに同業の大型店ができても動けない
  4. 「おいしい、安い」が当たり前
    • 実現するためには、食材原価と人件費を抑える必要がある
    • 食材原価を落とせば、味が劣化する
    • 人件費を落とせば、接客が劣化してクレームになる
  5. 人材確保が難しい
    • 給与水準が低く、休日が少ないため、人が来ない

60歳定年後【独立・起業の失敗例】 やらかした! 念願のコーヒーショップが潰れた理由 そもそも起業とは9割が失敗するもの 起業の成功率について「起業は9割が失敗する、1割しか生き残れない」という話を聞いたことはあり...

7. 自己資金を使わず、創業融資を活用する


融資を受けるなら「創業前」が最大のチャンスです。創業時は、設備資金をはじめ、持ち出しが多く、現預金はみるみる減っていきます。

だから、一番借りやすい創業前・創業時に融資を受け、余剰資金をつくっておくことが大切です。

日本政策金融公庫は、100%政府出資の金融機関であり、政策に基づいて中小企業や個人事業主の資金調達ニーズに積極的に対応しています。

創業前融資の最大のメリットは、決算書(個人事業主の場合は確定申告書)がなくても借りられることです。

審査の基準は、創業前の会社員時代の経歴、自己資金、事業プランの明確性、将来性などです。

日本政策金融公庫 新創業融資制度の概要

利用で
きる方
次のすべての要件に該当する方
①対象者の要件
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方
②自己資金の要件
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方
資金の
使い途
新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金
融資
限度額
3,000万円
(うち運転資金1,500万円)
ご返済
期間
各融資制度に定めるご返済期間内
利率(年)1.01~2.55%
担保・
保証人
原則不要
*原則、無担保無保証人の融資制度であり、代表者個人に責任が及ばないものとなっております

一番借りやすい創業前・創業時
に融資を受け、
余剰資金をつくっておく

8. サラリーマン時代の経験とスキルを活かす

独立と起業はまったくの別物


独立」と「起業」は違います。イメージとしては似ていますが、この二つはまったくの別物です。

「独立・起業」と聞いてイメージするのは、ネットショップを始めるとか、飲食店を開く、または資格を取得して開業するなどの「起業」でしょう。起業とは、それまで「まったく経験のない仕事で事業を始める」ことです。

しかし「独立」は違います。いままで長年仕事で培ってきた「経験、知識、スキル」を使って始めます。

イメージとしては、同じ仕事をして「会社で雇われて給与をもらう形」から「会社ではなく社会から報酬をもらう形」に変わる感じです。

シニアが成功しているのは、こうした「独立」のシナリオです。

サラリーマン時代の「経験・スキル・ノウハウ」を生かす


シニアの方であれば、サラリーマン時代に数十年かけて蓄積した、膨大な量の「経験・スキル・ノウハウ」を持っているはず。

その 「経験・スキル・ノウハウ」 を活かすビジネスを選びましょう。

なぜなら、この「経験・スキル・ノウハウ」は余人をもって代えられないものであり、まさに「プロフェッショナルな技術・サービス」だからです。同業者以外では、あなたしか持っていません

つまり、競争市場において、とてつもない優位性があります。それを活かさない手はありません。

  • 化学品メーカーに定年まで勤務 ⇒
    前職時代に売っていた化学品の販売代理店
  • 大手新聞社に30年勤務 
     ⇒ 独立してフリーライター
  • 大手自転車販売会社退職後 
     ⇒ 自転車屋をオープン
  • 証券会社時代の為替ディーラー経験を生かして ⇒ 中小企業向け為替コンサル
  • フランチャイズ本部経験を生かした 
     ⇒ FCコンサル
  • アフリカ駐在経験を生かした 
     ⇒ アフリカ進出支援

サラリーマン時代に培った
プロフェッショナルな
「経験・スキル・ノウハウ」
それを活かして独立する

60歳定年後の【独立・起業】 慣れた仕事で独立すれば、いきなりプロの経営者!「ゆる起業」とは「ゆるーい起業」をもじった造語です。定年前後のシニア層が、やりがい、社会との接点、人生を楽しむことなどを目的とした起業です。好きな仕事で無理せず、適度な収入を得る、いわば従来型起業の「低リスク・低リターンバージョン」といったものです。...