50代シニアのリアルな「転職成功例」
ご存じのように、シニアの転職や再就職における状況は、まことに厳しいものがあります。
しかし、数少ないながら、スペシャリスト(専門職)ではないゼネラリスト(専門職以外)の方であっても、正社員として「望みの仕事」に就かれる方はおられます。
ここで紹介するのは、転職に成功されたシニアの「血と汗と涙」が混ざった、リアルな「転職成功例」です。
転職・再就職に成功するシニアの共通点
これら転職・再就職に成功した方たちには、3つの共通点があります。
転職・再就職に成功するシニアの共通点
- やりたい仕事がハッキリしている
- 絶対にあきらめない
- PDCAサイクルを回し求職スキルを向上させられる
シニアで転職・再就職の難関を突破するのは、これらを「全て持っている人」です。
特に3番目が大切です。不採用の度に「PDCAサイクルを回し、自分の求職スキル・ノウハウを向上させられるかどうか」がポイントです。
シニアで転職・再就職に成功する人
どうしても「この仕事」がしたい!
「この仕事」以外は絶対にダメだ!
と思い込んでいる人です
共通点1 やりたい仕事がハッキリしている
ここに関しては、看護師、薬剤師、税理士、建築士、IT・Webエンジニアなどスペシャリスト(専門職)の方を例にして説明します。
これらの方たちは、国家資格を取得し、長年その職だけに従事し、仕事に関する「膨大な経験とスキル」を有しています。いわば生涯のほとんどを費やして、その仕事だけに従事してきた人です。
ゆえに、他の仕事は眼中にありません。働くなら「この仕事」と決めています。
ただし、スペシャリスト(専門職)だけでなく、ゼネラリスト(専門職以外)の中にもこうした方はおられます。
営業、事務、人事、マーケティングなど職種は何でもいいのです。たとえゼネラリスト(専門職以外)であっても、何十年も「その仕事一筋」で働いて来られた方は、同じように考えておられます。
「どうしても『この仕事』がしたい人」の典型は、定年後に日本全国を測量して回った「伊能忠敬」さんです。
共通点2 絶対に諦めない
「勝つまでやれば、勝負ごとに負けはない」ということです。
武田信玄の名言にもあるじゃないですか。
「為せば成る、為さねば成らぬ、成る業(ワザ)を、成らぬと捨つる人の儚き」。
転職や再就職活動において、不採用が続くと、断られるたびに転職・再就職のノウハウが蓄積されていきます。それによって、「求職者としてのスキル」が少しずつ上がっていきます。
その状態で諦めずに続けていれば、そのうち「何かしらの可能性やチャンス」が必ず訪れます。
そこで「絶対に成功する」とは言いませんが、諦めない限り「まだ勝ってはいないが、負けたと決まったわけではない」という状況が続くことになります。
つまり「まだ勝負はついていない」「勝負の途中」なのです。
こんなこと、誰しも頭ではわかっています。ただ、それを途中で諦めてしまうのが「凡人であり、普通の人」でしょう。
しかし世の中は広い。ごく稀ですが「絶対に諦めない人」が存在します。
典型的な例が「ケンタッキー・フライド・チキン」の創業者カーネル・サンダースです。
大学受験の合格体験談で知ったこと
私事で恐縮ですが、いまから40数年前、塾長コンドーも大学受験の季節を迎えていました。
まったく勉強しなかったというわけではありませんが、無計画にダラダラと時間をかけていました。いま考えてもメッチャ非効率なやり方だったと思います。
当時、人並に受験雑誌とやらを買い、何人かの合格体験談を読んで気づいたことがありました。
超難関大学に合格する人は、他の人とまったく違う
東京大学や京都大学などの超難関大学に合格した人の合格体験談は、他の人と全く違いました。ひとりの受験生のなかに「優秀な作戦参謀」と「優秀な野戦指揮官」が混在していたのです。
まずは優秀な作戦参謀の登場です。
自分の各教科の成績を分析し、優れている点や弱い点を洗い出します。つぎにセンター試験までの残り時間を計算し、いつ、どの教科を、どういうやり方で勉強するかを綿密にプランニングしていきます。こうやってセンター試験までの完璧な学習プランが出来あがります。
つぎは優秀な野戦指揮官の出番です。
作戦参謀が立てた作戦を完全に理解し、強い意志力(自己統率力)で、着実にプランを実行していきます。問題が発生したら、原因から対策を考え、臨機応変にプランを修正していきます。
本当にスゴイです。
各々学習プランの内容こそ違いましたが、超難関大学に合格した全員がこういうやり方でした。例外は一人もいませんでしたよ。
17歳の俺にはとても無理だった。まず頭が悪くて綿密な学習プランが作れない。アバウトな時間設定でダラダラ勉強する。もし仮に、緻密なプランが作れたとしても、絶対にプランどうりに実行できない。だって、そんな意志力ないもの。トホホ……(泣)
あんさん学問はあかんかったけど、天然理心流の剣技で幕臣までいきはったやんか。他の長所を伸ばしたらええんとちゃいますか?
共通点3 PDCAサイクルで求職スキルを向上させる
第二次世界大戦後、日本において「エドワーズ・デミング」が統計的品質管理の講演をしました。
これを聞いた「日本科学技術連盟の幹部」が、PDCAサイクルという品質管理の手法を提唱しました。
PDCAサイクルは「業務を計画的に確実に進めるためのマネジメント手法」
Plan(計画) ⇒ Do(実行) ⇒ Check(評価) ⇒ Action(改善)
この4段階を繰り返して、
業務を継続的に改善し続けます
PDCAサイクルで求職スキルを改善した例
●応募者:女性(60歳)
長年PCを使ってさまざな業務に従事してきた
●希望職種:PCを使ったデスクワーク
●現在の状況
転職サイトとハローワークで求人を探し、数社に応募書類を送ったが、全て書類選考で落とされた。
年齢は60歳。数社に書類を送ったけど、全て書類選考で落とされた。まぁ、普通の人ならここで正社員を諦めて、派遣かパートを仕事を探すよね。俺だってそうすると思う。でも、この人は諦めなかったんだ!
1回目のスキルアップ
応募書類のグレードアップ
PDCAサイクル 1回目 | |
PLAN | 応募書類のグレードアップ |
DO | 実績とスキルを含んだ 詳細な職務経歴書を作成する |
CHECK | これで書類選考はパスしたが 面接時の受け答えがダメだった |
ACTION | 面接対策を講ずる必要がある |
2回目のスキルアップ
ハローワークの面接講座に通う
PDCAサイクル 2回目 | |
PLAN | 面接対策をネットで検索 |
DO | ハローワークの面接講座に通う |
CHK | 面接はうまくいったが 「君のPCスキルは過去のものだ」 とPCスキル自体を否定された |
ACTION | PCスキルを証明する必要がある |
3回目のスキルアップ
マイクロソフトオフィススペシャリストの取得
PDCAサイクル 3回目 | |
PLAN | PCスキルを証明するため MOSの取得を決意する |
DO | マイクロソフト オフィススペシャリスト (MOS)の試験を受ける |
CHECK | MOSの資格を取得 |
ACTION | MOS資格証明をつけて応募する |
「60歳のお婆ちゃん」がMOSを勉強して取得するなんて! 本当にスゴイ! 拍手、パチパチパチ!
ごっつうえらい姐さんどすなぁ。60歳からの手習いなんて、わてにはとてもとても……。
4回目のスキルアップ
応募先を人手不足の介護・福祉業界にしぼる
PDCAサイクル 4回目 | |
PLAN | 応募先を人手不足の 介護・福祉業界にしぼる |
DO | 数社にMOS資格証明をつけて応募する |
CHECK | そのうち一社から内定を得る |
ACTION | 無事入社してに仕事に励む |
内定を得るまでに「求職スキル」
を4段階向上させている
- 応募書類のグレードアップ
- ハローワークの面接講座に通う
- マイクロソフトオフィススペシャリストを取得する
- 応募先を人手不足業界に絞る
この就職活動を実施した
60歳の女性は実在します
(フィクションではありません)
この実例が示すとおり、シニアが正社員で「転職・再就職に成功する」ことは「難関大学に合格する」くらい難しいことです。無計画で漠然と活動するだけでは不可能です。
やり方は、PDCAサイクルではなく「問題解決能力を使う」でもいいです。
自らプランを作り、結果を評価し、解決策を決定する「優秀な作戦参謀」と、強い意志力(自己統率力)で着実にプランを実行する「優秀な野戦指揮官」 が必要になるのです。
転職・再就職に成功するシニアが
持っている共通点3つ
- やりたい仕事がハッキリしている人
- 絶対にあきらめない人
- PDCAサイクルを回し求職スキルを向上させられる人