2007年に改正された雇用対策法
2007年に改正された雇用対策法で、募集・採用時における年齢制限が禁止されました。企業が出す求人広告において、原則年齢制限は記載できません。ただし、例外が6つあります。
年齢制限ができる6つの場合
- 定年を上限として制限する場合
「〇〇~64歳まで」などが該当します - 労働基準法やその他法による制限の場合
「18歳~○〇」などが該当します - 長期勤続を前提で若年者を募集する場合
- 技能ノウハウ継承が必要な特殊職業の場合
- 芸能分野の表現の真実性などの要請の場合
- 高齢者就職に関する施策を活用する場合
50歳以上なら「年齢不問」を信じるな
ハローワークインターネットサービスを利用すると、年齢ランに2つの記述があります。「年齢不問」と「年齢制限あり(18~64歳)」です。
シニアが応募する場合「年齢不問」のほうが採用され易いように感じます。だって「年齢不問(応募者の年齢は何歳でもいい)」ですから、それなら「シニアでも大丈夫」と思うじゃないですか。
そこで、年齢不問の求人に応募してみると、つぎのような声をたくさん聞きます。
- 年齢不問と書いてあったのに、ことごとく落とされた
- 年齢不問のはずなのに、ほとんど書類選考で落とされる
- 年齢不問の求人文句にだまされた。電話をかけてもお断りばかり
年齢不問の求人なのに、なぜ?
シニアはツライ。企業は採用したい年齢がある
企業は「採用を予定者の年齢」を予め決めています。本音をいうと「第二新卒~30歳まで」といった具合に、細かく年齢制限したいのです。
これなら対象年齢の人しか応募してきませんし、年齢オーバーの応募を断る手間も省けます。しかし、雇用対策法で求人時に年齢制限ができません。仕方なく年齢不問としているのです。
年齢不問の求人は、「年齢制限すると雇用期間の有期設定ができない」など求人上の不具合がある場合とか、人手不足業界が「応募者の数を増やすため」に年齢不問としている場合などがあります。たまには、本当に「年齢不問の求人」もありますが見分けがつきません。
しかし、応募者側としては、できるだけ「無駄な応募」を避けたいですよね。応募書類が返却されてくるのは精神的によろしくないし、かけた手間と郵送料も無駄になります。
では、企業が求めている求人年齢を、どうやって知ればいいのでしょうか。
- 求人情報から「シニア向け求人」を読み取る
- 「フリーワード検索」や「こだわり検索」を使って「シニア向け求人」を探し出す
求人情報から「シニア向け求人」を読み取る
ハローワークや求人サイトの求人案件を見ると、年齢不問と書かれたものが多数あります。
しかし、これらの求人には、本当に年齢不問なものと、そうでないものが混じっています。これらの中から、シニアが応募しても大丈夫な求人(真の年齢不問求人)を探し出さなければなりません。
そのためには、求人情報から「募集年齢や性別」を読み取る必要があります。応募したいと思える案件があったら、その求人情報を詳細に眺めて、募集年齢を推定しなければなりません。
求人情報は「暗示的に対象者を明示している」といえるのです。
- 男女ともに20代・30代が活躍中
⇒ 20~30代の男女を募集しています - 40代・50代が活躍しています
⇒ 40代~50代の方応募してください - 若いスタッフが多く働いてます
⇒ 若い人を中心に募集しています - シニア歓迎、高齢者優遇
⇒ 50代・60代の方も大丈夫です - 女性スタッフ多数活躍中
⇒ 女性を募集しています
つまり、求人情報に以下のような文言が入っているかがポイントです。
求人情報からシニア向け求人を読み取る
- シニア向け求人に書かれている文言
- シニア歓迎、シニア応援、シニア活躍中
- 50代60代歓迎、50代60代応援、50代60代活躍中
- ヤング向け求人に書かれている文言
- 男女ともに20代・30代が活躍中
- 若いスタッフが多く働いてます
求人サイトで「シニア向け求人」を探し出す方法
各種の求人情報サイトには、各々たくさんの求人案件があります。さしずめ「求人案件の海」といった状況です。
「人海戦術」や「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」方式がダメだとは言いませんが、いかんせん効率が悪すぎます。
何らかの方法で「年齢不問のワナ」(年齢不問の求人に応募して、ことごとく不採用になること)を回避しなければなりません。
求人サイト名 | 検索機能の名称 |
ハローワークインターネットサービス | フリーワード |
リクナビNEXT | フリーワード |
doda(デューダ) | キーワード |
マイナビ転職 | キーワード |
これらの検索ボックスに「50代」「60代」「シニア」「高齢者」とか、「シニア歓迎」「高齢者応援」「60代活躍中」など自分に関連する情報を入力して検索してみよう。
ハローワークインターネットサービスや各種の求人サイトには、求人案件を絞り込むための「検索機能」がついています。
サイト毎に「詳細検索」「こだわり検索」「フリーワード検索」など名称はさまざまですが、これをうまく使って、効率的にシニア向けの求人を探し出す必要があります。
ハローワークの場合
検索条件
●検索条件 以下の内容で検索しました。
調査日 2022/6/1
求人区分 一般求人「フルタイム」
年齢 60歳
就業場所 都道府県の県庁所在地
希望する職種 指定しない
雇用形態 正社員
賃金 指定しない
●検索結果1
人口 順位 | 都道 府県名 | 年齢 不問の 求人数 | 年齢制限 ありの 求人数 (18~64) | 合計 |
2位 | 神奈川県 横浜市 | 746 | 2,445 | 3,191 |
10位 | 静岡県 静岡市 | 234 | 659 | 893 |
20位 | 岡山県 岡山市 | 396 | 934 | 1,330 |
30位 | 長崎県 長崎市 | 146 | 424 | 570 |
40位 | 和歌山県 和歌山市 | 121 | 375 | 496 |
シニア向けの求人数を抜き出す
これは全年齢に対する求人数です。この中から「シニア向けの求人数」を抜き出す必要があります。
ハローワークインターネットサービスの検索条件(フリーワード)を使って、シニア向けの正社員求人を探し出します。
フリーワード検索 「シニア」または「高齢者」
人口 順位 | 都道 府県名 | フリー ワード シニア | フリー ワード 高齢者 | 合計 |
2位 | 神奈川県 横浜市 | 17 | 297 | 314 |
10位 | 静岡県 静岡市 | 8 | 78 | 86 |
20位 | 岡山県 岡山市 | 9 | 93 | 102 |
30位 | 長崎県 長崎市 | 1 | 49 | 50 |
40位 | 和歌山県 和歌山市 | 0 | 42 | 42 |
人口 順位 | 都道 府県名 | すべての 年齢層 | シニア 向け | 比率 |
2位 | 神奈川県 横浜市 | 3,191 | 314 | 9.8% |
10位 | 静岡県 静岡市 | 893 | 86 | 9.6% |
20位 | 岡山県 岡山市 | 1,330 | 102 | 7.7% |
30位 | 長崎県 長崎市 | 570 | 50 | 8.8% |
40位 | 和歌山県 和歌山市 | 496 | 42 | 8.5% |
合計 | 6,480 | 594 | 9.2% |
全年齢に対する正社員求人に比較して
シニア向け求人は9.2%しかない
求人サイトの検索機能を使って、
シニア向け求人を抜き出す!
検索ボックスに
以下の単語を入力してみる!
- ハローワークの場合
- フリーワードは「高齢者」
- ハローワーク以外の場合
- 「50代」「60代」「シニア」「高齢者」
- 「シニア歓迎」「シニア応援」「シニア活躍中」
- 「60代歓迎」「60代応援」「60代活躍中」
シニア向け求人の探し方
最後に、各求人サイトにおいて”シニア向け案件”を探すときの「シニア向け求人抽出方法」を書いておきます。参考にしてください。
シニア向け求人の抽出方法
求人 サイト名 | シニア向け求人 の抽出方法 |
グラン ジョブ | 「こだわり」を選択し ”シニア(60代~)歓迎” に✔を入れる |
タウン ワーク | 「給与/特徴/雇用形態」 を選択し”シニア応援” に✔を入れる |
求人 ボックス | 「絞り込み」の中の 「こだわり条件」を選択し ”ミドル・シニア歓迎” に✔を入れる |
バイトル | 「こだわり」を選択し ”シニア(60代~)歓迎” に✔を入れる |
マイナビ バイト | 「こだわり条件」を選択し ”シルバー歓迎” に✔を入れる |
ニフティ バイト | 「こだわり条件」を選択し ”高齢者歓迎” に✔を入れる |
ギガバイト | 「その他条件」を選択し ”シルバー歓迎” に✔を入れる |