50代60代の仕事探しは【挑戦者の心構え】
転職や再就職をおこなうとき、最大のポイントは求職者の「年齢」です。
転職時の事情は、転職希望者の年代によって評価ポイントが異なるため、さまざまに変化します。
転職希望者が20代なら、採用担当者は100%「伸びしろ」で判断します。30代の場合は伸びしろ50%、実績50%。40代は100%実績で判断します。
そのため、20代、30代、40代、50代と各年代の間には「壁」があり、年齢が上がるにつれて厚くなります。
とくに40代から50代の間は「分厚い壁」があります。そのため、実質的にキャリアアップの転職ができる年齢はギリギリ40代までということです。
厚生労働省の調査(平成29年勤労条件総合調査)によると、約8割の会社が60歳で定年です。
ということは、50代の人を採用しても、定年まで10年未満しかありません。しかも、給与が最も高い年代で高コスト。
そう考えれば、企業が50代以降の人を採用したがらないのは、仕方のないことです。

こうした事情により、50代以降の転職や再就職はかなり難しくなります。
「どんなに優秀でも50代というだけで相手にされない」といった現実があります。
それでもなお、転職や再就職にトライしたいのなら、「困難な課題への挑戦者」にならざるをえません。
その際に「挑戦者の心構え」として、知っておいてほしい「5つのポイント」があります。

転職の心構え1 役職いらない。給料半分でもいい
シニアの転職や再就職はかくも厳しい状況です。しかし、可能性は低いがゼロではありません。
たとえば、求職者がつぎのような考えをもっていたらどうでしょう。
「子供も独立し、住宅ローンもなく、お金はそんなに必要じゃない。それよりも自分の技術や経験を生かしたい」
「役職なんていらない。給料が半分でも構わない。しかし、自分をまだまだ世の中の役に立てたい」
このような考えを本気でもっているなら、採用される可能性がでてきます。
なぜなら、こうしたセリフを応募書類に書いておけば、まず採用担当者の目にとまります。「一度会って話を聞いてみよう」となれば書類選考はパスできます。
つぎは面接です。本人から情熱をまじえて同じセリフを聞かされます。最終的な合否はともかく、こうしたセリフが採用担当者の心を揺さぶることは間違いありません。
しかも、こうした考えをもっている方なら、転職サイトのスカウトマン、人材紹介会社のエージェント、ハローワークの担当者など、転職や再就職で接触するすべての人々が、あなたのファンになって応援してくれるでしょう。
「役職いらない」「給料半分でもいい」なんて!「泣かせるセリフ」ですね。応募書類にこう書いてあったら、私が採用担当者でも「一度会ってみよう」と思うでしょうね。
お給金半分なんて、そんなん殺生やわ。あんさん! 絶対にあきまへんで!
●超優秀な人で、かつ若手と同じ給料でいいのなら、採用を検討しよう
スペシャリスト(専門職)、ゼネラリストの営業や経理事務、どの職種でも同じです。
ひとつの仕事に何十年も従事し、仕事に対する「膨大な経験」と「高度なスキルやノウハウ」を持っているシニアが面接に来たとします。
その人が「給料が半分でもいい(若手と同じでいい)」と言うなら、「真剣に採用を検討する」(採用ではない)ということです。
確かに、採用時は若手と同じ年収かもしれません。しかし、経営者も上司もバカではありません。
あなたが「抜群の業績をあげて、かつお人柄も良ければ」年収もポジションも直ぐ引き上げてくれます。心配無用です。
転職の心構え2 50歳以上は「キャリアダウン型」
シニアの転職・再就職は、年収やポジションを下げる「キャリアダウン型」になります。
人生前半部分、40代までの転職は「キャリアの階段を昇る転職」(キャリアアップ型)。
年収やポジションを上げるための転職が多いでしょう。
しかし、人生の後半部分、シニアの転職は「キャリアの階段を降りる転職」(キャリアダウン型)です。
さまざまな理由から、自ら年収やポジションを下げることは普通にあります。
- やりがいのある仕事への転職
(一度やってみたかった) - 自分に合った仕事への転職
(現場仕事から離れたくない) - 長く働ける職場への転職
(定年のない職場へ) - 労働環境がよい職場への転職
(職場の人間関係がつらい) - 時間の自由がきく職場への転職
(家族の介護がある)

転職の心構え3 すべてをリセットしてゼロに戻す
「組織の塩漬け」(大企業を部長で定年退職したBさん)
「前の会社ではタクシーも自由に使えたし、周りも私を大事にしてくれた。ところが、再就職先ではどこへ行くのも電車、おまけに私はただのシニア社員でしかない。
これを実際に経験するとメンタルがやられます。プライドが傷つくのです。私みたいなのを「塩が抜けない」という言うらしいです」
無理もない話です。ひとつの組織に40年もいたら誰もがこうなります。
しかし、どんなに輝かしいキャリアだろうと、どんなに高い役職に就いていたとしても、それは過去の遺物でしかありません。
大企業管理職から「ただのシニア」に
定年を境に、自分の立場が強者から弱者に変わります。わかりやすい例が「金融機関への融資申込」です。
Bさんが大手企業で部長をしていたときなら、銀行に融資を依頼すれば、二つ返事で「承りました。いかほどご入用ですか」と言ってもらえるでしょう。
ところが、同じBさんが定年後に子会社で再雇用されているときに依頼すると「大手企業にお勤めのときに依頼していただければ……」と、銀行員の態度がひょう変します。
当たり前ですよね。大手企業の部長で年収1000万円以上あったときと、子会社で再雇用され年収が半分以下のシニア社員になったときでは、態度が変わるのはバンカーとして当然です。
ところが、本人がコレを理解できない。
自分が「大手企業の部長」から「ただのシニア社員」に変わったことがわかっていない。いや、頭ではわかっているが、心がついていってない。認めたくない。

対策としては、自分の職業人生を一度リセットしてゼロに戻す。つまり「一兵卒」に戻るのです。
そのうえで、新たに一兵卒として、キャリアの再スタートを切ること。
しかしながら、これは本当に難しい。なぜなら、心は習慣に大きく影響されるからです。
どんな人にも、40年間の会社員生活で染みついた習慣(心)というものがあります。
それを、すべてリセットしてゼロに戻す。
新卒で入社したときの「真っ白な自分」に戻るのです。シニアの転職や再就職の成否は、これができるかどうかです。

リセットできた例(中堅商社の管理職だったCさん)
Cさんは、会社が用意した再雇用制度にどうしても納得できませんでした。
仕事は若手の補助になり、給与も半減する。「会社は法律上の義務で仕方なくシニアを雇っている」「シニアの働きに期待なんかしていない」という雰囲気を感じたのです。
人生の大半を費やした会社、その姿勢が許せませんでした。
それなら、いっそしがらみのない職場でゼロから働く方がいい。飛び込んだのはフルタイムの営業マン。
現役のときの仕事とは全く違う。一年更新の契約社員で、給与も再雇用とほぼ同じ。それでも意欲が湧きました。
毎日、新鮮な気持ちで営業のレジュメを読み込む。年下の同僚も転職者が多く「仲間」として受け入れてくれる。
これらすべてが、過去の地位や収入、仕事内容をリセットできたから得られたのです。
チャレンジしないといい結果はつかめない。Cさんが思い切って転職して実感したことです。


転職の心構え4 まずは行動、自分から動く
若干の例外はありますが、多くの会社はシニアの力を必要としていません。結果として「シニア向けの求人」がありません。
特に、あなたがゼネラリスト(専門職以外)なら、転職サイトや転職エージェントはほとんど役にたちません。たとえ外資系企業でトップに就くほど優秀だったとしても、この点は同じです。
だから「自分の足で探すこと」が重要になります。
友人、知人、会社の同僚、得意先、とにかく思いつく限りのところへ出かけて「働きたいのですが、何か仕事はありませんか」と尋ねてみるのです。
実際に、これはかなり有力な手段といえます。
なぜなら、シニアが転職先や再就職先を見つけた方法、第一位は「友人・知人の紹介」だからです。
まずは自分が動くこと。これが再就職の第一歩となります。

つぎも行動です。時間をかけて入れそうな会社を探してみましょう。
転職サイトや転職エージェント、ハローワーク、シルバー人材センターなどをフルに使って情報を収集します。そうすれば嫌でも現実の厳しさがわかるし、真剣に取り組む覚悟もできます。
ここでも大事なポイントは「自分で探す」ということです。
自分自身で積極的に動くことをおすすめします。自ら動くことで、仕事に出会うチャンスは確実に増えます。
因みに、 シニアが転職先や再就職先を見つけた方法、第二位は「自分で仕事をつくる(起業)」です。

転職の心構え5 長期戦を覚悟する
ヤング・ミドルと違って、シニアの転職や再就職は時間がかかります。年齢が上がるほど、長くなる傾向があります。
ヤング・ミドルだと、転職や再就職するまで3ヶ月程度が一般的です。しかし、シニアの求職期間は70%が半年以上かかるといわれています。とにかく、あせるのはよくありません。
時間がかかるのは当たり前、焦らずじっくりと探すこと。長期戦を覚悟し「まな板の上のコイ」の心境でドーンと構えましょう。
転職や再就職に成功するまでの期間
- 20代~30代 3か月以内
- 40代 3~5か月
- 50代以降 半年以上


転職の心構え6 あせらない。「会社探しが趣味」くらい
求職期間に入ると、最初の1か月は忙しいものです。まずは、ハローワークで失業保険などの必要な手続きが始まります。
それを終えたら、転職サイトの求人閲覧や転職エージェントへの登録など、慌ただしく過ぎていきます。
しかし、手続きを済ませ、一通り求人案件を閲覧し、応募したい企業に書類を送ってしまうと静寂が訪れます。それ以降、毎日やることはそれほどないことがわかってきます。
シニア向けの新規求人案件は多くありません。一日1~2時間くらいパソコンやスマホでチェックすればOKです。
だから「会社探しが趣味だ」というくらいの軽い気持ちで、気長に取り組むほうがいいのです。そのほうが楽しめるし、気も滅入らない。
いままで知らなかった業界や仕事を知ることになるから、自らの見聞を広めることもできます。肩の力を抜いて、マイペースで淡々と続けましょう。
転職や再就職にトライする
「挑戦者の心構え」6つ
- 役職なんかいらない。給料が半分でも構わない
- キャリアダウンが当たり前
- すべてをリセットして一兵卒に戻る
- まずは行動、自分から動く
- 長期戦を覚悟する
- あせらない。「会社探しが趣味」というくらい

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