就活塾の記事数が40を超えてきました。この辺りで一度、「ジャンル毎」に内容をまとめてみたいと思います。
ここでは「転職・再就職のコツ or ポイント」カテゴリーにある、記事の内容をまとめました。
- 【仕事探しのコツ】 ”自分の市場価値”を確認することが就職活動のスタートライン!
- 【仕事探しのコツ】シニア転職・再就職の「心構え」 5つのポイント!
- 【仕事探しのコツ】年齢不問のワナ。フリーワード検索で「シニア向け求人」を探し出せ!
- 【転職成功例1】不採用のたびに原因を追究し対策を実施。求職者レベルをUPする!
- 【50代のシニア必見】60歳定年後のベストな道はどれだ?
- 【仕事探しのコツ】自宅で受ける! オンライン就職支援「東京しごとセンター」
- 【仕事探しのポイント】強者と同じ手法では勝てない。弱者には弱者の戦い方がある
- 【転職成功例2】オススメの転職方法はコレだ! 安定収入を確保して、長期戦で勝つ!
- 【仕事探しのコツ】うまくいかないときは「朝寝・朝酒・朝湯」で Happy!
【仕事探しのコツ】 ”自分の市場価値”を確認することが就職活動のスタートライン!
人生100年時代といわれます。昔のように定年退職したら悠々自適とはいきません。人生が長くなったぶん、余分に働き続けなければならくなりました。
サラリーマンも50代になると、いま働いている会社での先行きも検討がつきます。また、定年退職の時期も現実として視野に入ってきます。それゆえ、「このさきどういう形で働いていくのか」といった、定年後のキャリアプランニングが必要になってきます。
いまの会社で働き続けるにしろ、転職するにせよ、独立・起業するにせよ、とにかく”自分の市場価値を知ること”は必須です。それを知ったうえで、セカンドキャリアを固めていくのが現実的というものです。
中国・春秋時代の兵法書『孫子』に有名な一節があります。「彼を知り己を知れば百戦危うからず」。(敵のことをよく知り、自分のこともよく知っていたならば、何度戦っても負けることはない)
転職や再就職を検討している人なら、「己を知ること」は「自分の市場価値を知ること」であり、「敵を知ること」は「求人市場の状況や動向を知ること」に他なりません。
シニアの市場価値
ヤングやミドルとシニアでは、市場価値を調べる場合に意味合いが少し違います。
ヤングやミドルの場合、市場価値を調べることは「純粋に適正年収」を知ることです。しかし、シニア(特にゼネラリスト)の場合は「果たして市場価値があるのか」という疑問があります。
あなたが以下のようなスペシャリスト(専門職)なら、市場価値は間違いなくあります。
・IT技術者、AI技術者
・建築・土木・測量系の技術者
・工場オペレーションなどの専門知識を持つ技術者
・医療・介護系
・知財、法務などのスペシャリスト
しかし、あなたがゼネラリスト(専門職以外)ならどうでしょうか?
- 就職活動をしても面接まで進めない
- 転職エージェントに登録しても、キャリアアドバイザーとの面談が組まれない
- 転職サイトに登録しても、スカウトメール(直接オファー)がこない
これだと「果たして自分に市場価値があるのか」という疑問に直面します。
市場価値が有るか無いか、いずれにしろ、転職・再就職のスタートラインは”自分の市場価値”を正しく把握することにあるのです。
市場価値が高いとは
「市場価値が高い」とは「企業が求めている経験やスキルをもっている」ことです。「専門性が高い」と似ていますが、それでは「市場価値が高い」ことにはなりません。専門性が高くても、その経験やスキルを求める企業がなければ、市場価値は低くなります。
市場価値は需要と供給です。「需要=企業が求める経験やスキル」「供給=企業が求める経験やスキルをもった求職者の数」このバランスで決まります。
また、市場価値には年齢や居住地も影響します。同じ経験とスキルをもっていても、30歳と50歳では価値が異なりますし、居住地が大都市圏と地方でも変わります。
市場価格は「中古車の相場」で考えるとわかりやすい。トヨタ製の中古車で、ほぼ同じスペックの車が3台あるとしましょう。
3台とも新車価格は300万円。スペックは排気量2000ccガソリンエンジン、新車から3年落ち、走行距離5万kmで全部同じと思ってください。
中古車価格はおおよそ以下のようになります。
マークX(セダン) 100万円
ノア(ミニバン) 150万円
ハリアー(SUV) 200万円
新車価格とスペックが同じですから、車としての基本性能は同じなのに価格はこれだけ違います。つまり市場価格とは「その商品の人気度」であり、商品の需要と供給で決まります。価格が違っても、車の性能は変わりません。
このように、市場価値が低かったとしても何ら落胆する必要はありません。
「市場価値の高さ」と「ビジネスマンとしての能力・スキル」は何ら関係ないからです。
市場価値の使いかた
自分の市場価値は「知っておかねばならない」ではありませんが、知っていれば就職活動がスムーズに進みます。
あなたの市場価値が年収500万円だったと仮定しましょう。いまの会社で年収が800万円だったら「会社に感謝しなければならない」「愚痴を言わず定年まで働き続けよう」となるでしょう。
あるいは、市場価値が800万円でいまの年収が500万円だったら「試しに転職活動でもしてみるか」とか「起業するための準備をしよう」といった気持ちになるかもしれません。
このように、自分の市場価値を知っておけば、50代以降の就職活動において適切な判断と正しい方向性を得ることができます。
- 市場価値がいまの年収より低い場合
- いま働いている会社への不平不満が軽減される
- いま働いている会社に対し感謝の気持ちになる
- 前向きに定年まで働き続ける理由になる
- 市場価値がいまの年収より高い場合
- 転職という選択肢ができる
- 定年前後の独立・起業などが視野に入る
市場価値の調べ方
市場価値の調べ方は、以下の4つです。
- 実際に転職活動をしてみる
(もっとも有効かつ確実) - 転職エージェントのキャリアアドバイザーに聞く
(手軽で正確性が高い) - 転職サイトのスカウトメールを使う
(大まかな目安になる) - 転職サイトの診断ツールを使う
(何も目安がないよりまし)
1.実際に転職活動をする
市場価値を知るもっとも有効かつ確実な方法は、実際に就職活動をしてみることです。あなたを高く評価する会社もあれば、低い評価の会社もあるでしょう。
どこの企業で何を評価され、どれくらいの条件提示をもらえるのか、実際に就職活動をすればリアルな情報が得られます。とりあえず2~3社就職活動をして「採用されたら給料はいくらか」を確認するのです。
この方法のデメリットは、実際に「転職の意思がある人」しか使えないことです。まったく転職する気持ちがないのに、転職活動をすることは相手先企業にとって、迷惑以外の何物でもないからです。
2.転職エージェントのキャリアアドバイザーに聞く
転職エージェントとは、転職を検討している人と採用を考えている企業の間にたって、転職成功を支援するサービスです。
転職エージェントは、転職が成功すれば企業から報酬を得ます。そのため、登録すれば転職ノウハウに長けているキャリアアドバイザーが、熱心に転職活動をサポートしてくれます。
キャリアアドバイザーは、たくさんの求職者と面談し転職を支援しています。単純に所属企業や職種のみで市場価値を測らずに、経験にもとづいた情報を提供します。
こうした意味で、転職サイトのスカウトやアンケートよりも、正確性の高い情報を提供できます。面談は無料の場合が多いですし、手軽さと正確性をかね備えていると言えます。
目的は「市場価値を知ること」です。試しに大手の転職エージェントに登録して、キャリアアドバイザーと面談してみることです。大手の転職エージェントを3つ挙げておきます。
俺の若い頃は、転職エージェントなんてなかった。もしこんな便利なものがあったら、間違いなく利用していたね!
3.転職サイトのスカウトメールを使う
転職サイトとは、さまざまな業界や職種の求人が掲載されている転職に関するWebサイトのことです。多くの求人情報を自由に検索・閲覧ができ、気にいった求人を、自分で選んで応募するサービスです。
転職サイトには、企業からスカウトを受けられるサービスがあります。このサービスに登録すると、企業から「わが社に応募しませんか」というメールが届くことがあり、これを「スカウトメール」と呼びます。スカウトメールを送ってきた企業の情報や年収で、ある程度の市場価値がわかります。
スカウトメールの内容は、「わが社に応募しませんか」などの直接オファーから、「希望の求人があります」といった案内までさまざまです。スカウトメールには3種類あり、それぞれ内容や役割が違ってくるので、どのメールが届いたのか、切り分けて判断してください。
●スカウトメールの種類
- システムで自動配信されるもの
- スカウトメールに登録すると、転職サイトのシステムから自動で送られるメール
- 誰にも当てはまる定型文。メルマガや広告メールに近い
- 企業の人事担当者からのスカウト
- 企業の担当者からの直接オファー
- 冒頭やメール件名に、個別の企業名が入っているのが特徴
- 転職エージェントが送るもの
- 特定の企業の紹介ではなく「キャリア相談実施中」など転職支援をアピールするもの
目的は「市場価値を知ること」ですから、 大手の転職サイトのスカウトサービスに登録してみることです。スカウトサービスを持っている大手の転職サイトを3つ挙げておきます。
4.転職サイトの診断ツールを使う
転職サイトによっては「市場価値の診断ツール」をもっているサイトがあります。20~30個の質問に答えると「あなたの適性年収は〇〇万円」などと教えてくれます。
「無料の市場価値診断ツール」をもった転職サイトを3つ挙げておきます。
ただし、この結果をうのみにしてはいけません。サイトにより基準がバラバラで、質問内容が適切かもわかりません。年収の査定額に正確さが期待できません。
あくまで「参考程度」、もしくは「目安が何もないよりまし」くらいに考えるならいいでしょう。ただし、手軽に調べられる点がメリットです。
ミイダスでシミュレーションをしてみよう
さきほど、転職サイトの診断ツールは「正確性がとぼしい」「目安がないよりまし」といいました。ところが「何とかとハサミは使いよう」で以外なことに使えます。
3つの診断ツールどれでもよいのですが「面倒な会員登録がいらない」かつ「転職サイトから不要なメールも来ない」というのはミイダスだけです。ミイダスの質問は25個くらいで、1回の査定時間も約5分、ミイダスが一番いいでしょう。
では、ミイダスを使って何をするのか?
ミイダスを「さまざまな条件の年収シミュレーションツール」として利用します。
ミイダスの中であれば、あなたは何にでもなれます。
営業マンや経理マン、技術者になれます。
建築技術者や看護師、塾講師にもなれます。
大企業の社員にも、小企業の社員にもなれます。
未経験だけどやってみたい仕事がある。
スキルと経験をもつ仕事が2つある。AとBどちらがいいか。
45歳で年収600万円なら60歳だといくら?
この仕事にはどんなスキルが求められているか。
同じ職種で首都圏と地方はどれくらい違うか。
もう何でもシミュレーションできます! あらゆる仕事・職種において、求職条件をどのように変えても、年収の査定をしてくれます。これは絶対に使えます。ぜひいろいろと試してください。オススメです!
簡単だけどメッチャおもしろい。このシミュレーターは色んなことを教えてくれます。勉強になりますよ。是非トライしてみてね!
ミイダスを使って、さまざまな
転職シミュレーションをしよう!
【仕事探しのコツ】シニア転職・再就職の「心構え」 5つのポイント!
転職や再就職時の事情は、転職希望者の年代によって評価ポイントが異なるため、さまざまに変化します。その際、最大のポイントは求職者の「年齢」です。
転職希望者が20代なら、採用担当者は100%「伸びしろ」で判断します。30代の場合は伸びしろ50%、実績50%。40代は100%実績で判断します。
そのため、20代、30代、40代、50代と各年代の間には「壁」があり、年齢が上がるにつれて厚くなります。
とくに40代から50代の間は「分厚い壁」があります。そのため、実質的にキャリアアップの転職ができる年齢はギリギリ40代までということです。
厚生労働省の調査(平成29年勤労条件総合調査)によると、約8割の会社が60歳で定年です。
ということは、50代の人を採用しても、定年まで10年未満しかありません。しかも、給与が最も高い年代で高コスト。そう考えれば、企業が50代以降の人を採用したがらないのは、仕方のないことです。
こうした事情により、50代以降の転職や再就職はかなり難しくなります。「どんなに優秀でも50代というだけで相手にされない」といった現実があります。
それでもなお、転職や再就職にトライしたいのなら、「困難な課題への挑戦者」にならざるをえません。
その際に「挑戦者の心構え」として、知っておいてほしい「5つのポイント」があります。
ポイント1 役職なんかいらない。給料が半分でも構わない
シニアの転職や再就職はかくも厳しい状況です。しかし、可能性は低いがゼロではありません。たとえば、求職者がつぎのような考えをもっていたらどうでしょう。
「子供も独立し、住宅ローンもなく、お金はそんなに必要じゃない。それよりも自分の技術や経験を生かしたい」
「役職なんていらない。給料が半分でも構わない。しかし、自分をまだまだ世の中の役に立てたい」
このような考えを本気でもっているなら、採用される可能性がでてきます。
なぜなら、こうしたセリフを応募書類に書いておけば、まず採用担当者の目にとまります。「一度会って話を聞いてみよう」となれば書類選考はパスできます。
つぎは面接です。本人から情熱をまじえて同じセリフを聞かされます。最終的な合否はともかく、こうしたセリフが採用担当者の心を揺さぶることは間違いありません。
しかも、こうした考えをもっている方なら、転職サイトのスカウトマン、人材紹介会社のエージェント、ハローワークの担当者など、転職や再就職で接触するすべての人々が、あなたのファンになって応援してくれるでしょう。
「役職いらない」「給料半分でもいい」なんて!「泣かせるセリフ」ですね。応募書類にこう書いてあったら、私が採用担当者でも「一度会ってみよう」と思うでしょうね。
お給金半分なんて、そんなん殺生やわ。あんさん! 絶対にあきまへんで!
●超優秀な人で、かつ若手と同じ給料でいいのなら、採用を検討しよう
スペシャリスト(専門職)、ゼネラリストの営業や経理事務、どの職種でも同じです。
ひとつの仕事に何十年も従事し、仕事に対する「膨大な経験」と「高度なスキルやノウハウ」を持っているシニアが面接に来たとします。
その人が「給料が半分でもいい(若手と同じでいい)」と言うなら、「真剣に採用を検討する」(採用ではない)ということです。
確かに、採用時は若手と同じ年収かもしれません。しかし、経営者も上司もバカではありません。
あなたが「抜群の業績をあげて、かつお人柄も良ければ」年収もポジションも直ぐ引き上げてくれます。心配無用です。
シニアの転職・再就職は「キャリアダウン型」
シニアの転職・再就職は、年収やポジションを下げる「キャリアダウン型」になります。人生前半部分、40代までの転職は「キャリアの階段を昇る転職」(キャリアアップ型)。年収やポジションを上げるための転職が多いでしょう。
しかし、人生の後半部分、シニアの転職は「キャリアの階段を降りる転職」(キャリアダウン型)です。さまざまな理由から、自ら年収やポジションを下げることは普通にあります。
- やりがいのある仕事への転職
(一度やってみたかった) - 自分に合った仕事への転職
(現場仕事から離れたくない) - 長く働ける職場への転職
(定年のない職場へ) - 労働環境がよい職場への転職
(職場の人間関係がつらい) - 時間の自由がきく職場への転職
(家族の介護がある)
ポイント2 すべてをリセットしてゼロに戻す
「組織の塩漬け」(大企業を部長で定年退職したBさん)
「前の会社ではタクシーも自由に使えたし、周りも私を大事にしてくれた。ところが、再就職先ではどこへ行くのも電車、おまけに私はただのシニア社員でしかない。
これを実際に経験するとメンタルがやられます。プライドが傷つくのです。私みたいなのを「塩が抜けない」という言うらしいです」
無理もない話です。ひとつの組織に40年もいたら誰もがこうなります。
しかし、どんなに輝かしいキャリアだろうと、どんなに高い役職に就いていたとしても、それは過去の遺物でしかありません。
大企業管理職から「ただのシニア」に
定年を境に、自分の立場が強者から弱者に変わります。わかりやすい例が「金融機関への融資申込」です。
Bさんが大手企業で部長をしていたときなら、銀行に融資を依頼すれば、二つ返事で「承りました。いかほどご入用ですか」と言ってもらえるでしょう。
ところが、同じBさんが定年後に子会社で再雇用されているときに依頼すると「大手企業にお勤めのときに依頼していただければ……」と、銀行員の態度がひょう変します。
当たり前ですよね。大手企業の部長で年収1000万円以上あったときと、子会社で再雇用され年収が半分以下のシニア社員になったときでは、態度が変わるのはバンカーとして当然です。
ところが、本人がコレを理解できない。
自分が「大手企業の部長」から「ただのシニア社員」に変わったことがわかっていない。いや、頭ではわかっているが、心がついていってない。認めたくない。
対策としては、自分の職業人生を一度リセットしてゼロに戻す。つまり「一兵卒」に戻るのです。そのうえで、新たに一兵卒として、キャリアの再スタートを切ること。
しかしながら、これは本当に難しい。なぜなら、心は習慣に大きく影響されるからです。どんな人にも、40年間の会社員生活で染みついた習慣(心)というものがあります。
それを、すべてリセットしてゼロに戻す。
新卒で入社したときの「真っ白な自分」に戻るのです。シニアの転職や再就職の成否は、これができるかどうかです。
リセットできた例(中堅商社の管理職だったCさん)
Cさんは、会社が用意した再雇用制度にどうしても納得できませんでした。
仕事は若手の補助になり、給与も半減する。「会社は法律上の義務で仕方なくシニアを雇っている」「シニアの働きに期待なんかしていない」という雰囲気を感じたのです。人生の大半を費やした会社、その姿勢が許せませんでした。
それなら、いっそしがらみのない職場でゼロから働く方がいい。飛び込んだのはフルタイムの営業マン。
現役のときの仕事とは全く違う。一年更新の契約社員で、給与も再雇用とほぼ同じ。それでも意欲が湧きました。毎日、新鮮な気持ちで営業のレジュメを読み込む。年下の同僚も転職者が多く「仲間」として受け入れてくれる。
これらすべてが、過去の地位や収入、仕事内容をリセットできたから得られたのです。チャレンジしないといい結果はつかめない。Cさんが思い切って転職して実感したことです。
ポイント3 まずは行動、自分から動く
若干の例外はありますが、多くの会社はシニアの力を必要としていません。結果として「シニア向けの求人」がありません。
特に、あなたがゼネラリスト(専門職以外)なら、転職サイトや転職エージェントはほとんど役にたちません。たとえ外資系企業でトップに就くほど優秀だったとしても、この点は同じです。
だから「自分の足で探すこと」が重要になります。
友人、知人、会社の同僚、得意先、とにかく思いつく限りのところへ出かけて「働きたいのですが、何か仕事はありませんか」と尋ねてみるのです。
実際に、これはかなり有力な手段といえます。なぜなら、シニアが転職先や再就職先を見つけた方法、第一位は「友人・知人の紹介」だからです。
まずは自分が動くこと。これが再就職の第一歩となります。
つぎも行動です。時間をかけて入れそうな会社を探してみましょう。
転職サイトや転職エージェント、ハローワーク、シルバー人材センターなどをフルに使って情報を収集します。そうすれば嫌でも現実の厳しさがわかるし、真剣に取り組む覚悟もできます。
ここでも大事なポイントは「自分で探す」ということです。自分自身で積極的に動くことをおすすめします。自ら動くことで、仕事に出会うチャンスは確実に増えます。
因みに、 シニアが転職先や再就職先を見つけた方法、第二位は「自分で仕事をつくる(起業)」です。
ポイント4 長期戦を覚悟する
ヤング・ミドルと違って、シニアの転職や再就職は時間がかかります。年齢が上がるほど、長くなる傾向があります。
ヤング・ミドルだと、転職や再就職するまで3ヶ月程度が一般的です。しかし、シニアの求職期間は70%が半年以上かかるといわれています。とにかく、あせるのはよくありません。
時間がかかるのは当たり前、焦らずじっくりと探すこと。長期戦を覚悟し「まな板の上のコイ」の心境でドーンと構えましょう。
転職や再就職に成功するまでの期間
- 20代~30代 3か月以内
- 40代 3~5か月
- 50代以降 半年以上
ポイント5 あせらない。「会社探しが趣味」というくらい
求職期間に入ると、最初の1か月は忙しいものです。まずは、ハローワークで失業保険などの必要な手続きが始まります。
それを終えたら、転職サイトの求人閲覧や転職エージェントへの登録など、慌ただしく過ぎていきます。
しかし、手続きを済ませ、一通り求人案件を閲覧し、応募したい企業に書類を送ってしまうと静寂が訪れます。それ以降、毎日やることはそれほどないことがわかってきます。
シニア向けの新規求人案件は多くありません。一日1~2時間くらいパソコンやスマホでチェックすればOKです。
だから「会社探しが趣味だ」というくらいの軽い気持ちで、気長に取り組むほうがいいのです。そのほうが楽しめるし、気も滅入らない。
いままで知らなかった業界や仕事を知ることになるから、自らの見聞を広めることもできます。肩の力を抜いて、マイペースで淡々と続けましょう。
転職や再就職にトライする
「挑戦者の心構え」5つ
- 役職なんかいらない。給料が半分でも構わない
- すべてをリセットして一兵卒に戻る
- まずは行動、自分から動く
- 長期戦を覚悟する
- あせらない。「会社探しが趣味」というくらい
【仕事探しのコツ】年齢不問のワナ。フリーワード検索で「シニア向け求人」を探し出せ!
2007年に改正された雇用対策法で、募集・採用時における年齢制限が禁止されました。企業が出す求人広告において、原則年齢制限は記載できません。ただし、例外が6つあります。
年齢制限ができる6つの場合
- 定年を上限として制限する場合
「〇〇~64歳まで」などが該当します - 労働基準法やその他法による制限の場合
「18歳~○〇」などが該当します - 長期勤続を前提で若年者を募集する場合
- 技能ノウハウ継承が必要な特殊職業の場合
- 芸能分野の表現の真実性などの要請の場合
- 高齢者就職に関する施策を活用する場合
年齢不問を信じるな
ハローワークインターネットサービスを利用すると、年齢ランに2つの記述があります。「年齢不問」と「年齢制限あり(18~64歳)」です。
シニアが応募する場合「年齢不問」のほうが採用され易いように感じます。だって「年齢不問(応募者の年齢は何歳でもいい)」ですから、それなら「シニアでも大丈夫」と思うじゃないですか。
そこで、年齢不問の求人に応募してみると、つぎのような声をたくさん聞きます。
- 年齢不問と書いてあったのに、ことごとく落とされた
- 年齢不問のはずなのに、ほとんど書類選考で落とされる
- 年齢不問の求人文句にだまされた。電話をかけてもお断りばかり
年齢不問の求人なのに、なぜ?
企業には採用したい年齢がある
企業は「採用を予定者の年齢」を予め決めています。本音をいうと「第二新卒~30歳まで」といった具合に、細かく年齢制限したいのです。
これなら対象年齢の人しか応募してきませんし、年齢オーバーの応募を断る手間も省けます。しかし、雇用対策法で求人時に年齢制限ができません。仕方なく年齢不問としているのです。
年齢不問の求人は、「年齢制限すると雇用期間の有期設定ができない」など求人上の不具合がある場合とか、人手不足業界が「応募者の数を増やすため」に年齢不問としている場合などがあります。たまには、本当に「年齢不問の求人」もありますが見分けがつきません。
しかし、応募者側としては、できるだけ「無駄な応募」を避けたいですよね。応募書類が返却されてくるのは精神的によろしくないし、かけた手間と郵送料も無駄になります。
では、企業が求めている求人年齢を、どうやって知ればいいのでしょうか。
- 求人情報から「シニア向け求人」を読み取る
- 「フリーワード検索」や「こだわり検索」を使って「シニア向け求人」を探し出す
求人情報から「シニア向け求人」を読み取る
ハローワークや求人サイトの求人案件を見ると、年齢不問と書かれたものが多数あります。
しかし、これらの求人には、本当に年齢不問なものと、そうでないものが混じっています。これらの中から、シニアが応募しても大丈夫な求人(真の年齢不問求人)を探し出さなければなりません。
そのためには、求人情報から「募集年齢や性別」を読み取る必要があります。応募したいと思える案件があったら、その求人情報を詳細に眺めて、募集年齢を推定しなければなりません。
求人情報は「暗示的に対象者を明示している」といえるのです。
- 男女ともに20代・30代が活躍中
⇒ 20~30代の男女を募集しています - 40代・50代が活躍しています
⇒ 40代~50代の方応募してください - 若いスタッフが多く働いてます
⇒ 若い人を中心に募集しています - シニア歓迎、高齢者優遇
⇒ 50代・60代の方も大丈夫です - 女性スタッフ多数活躍中
⇒ 女性を募集しています
つまり、求人情報に以下のような文言が入っているかがポイントです。
求人情報からシニア向け求人を読み取る
- シニア向け求人に書かれている文言
- シニア歓迎、シニア応援、シニア活躍中
- 50代60代歓迎、50代60代応援、50代60代活躍中
- ヤング向け求人に書かれている文言
- 男女ともに20代・30代が活躍中
- 若いスタッフが多く働いてます
求人サイトで「シニア向け求人」を探し出す方法
各種の求人情報サイトには、各々たくさんの求人案件があります。さしずめ「求人案件の海」といった状況です。
「人海戦術」や「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」方式がダメだとは言いませんが、いかんせん効率が悪すぎます。
何らかの方法で「年齢不問のワナ」(年齢不問の求人に応募して、ことごとく不採用になること)を回避しなければなりません。
求人サイト名 | 検索機能の名称 |
ハローワークインターネットサービス | フリーワード |
リクナビNEXT | フリーワード |
doda(デューダ) | キーワード |
マイナビ転職 | キーワード |
これらの検索ボックスに「50代」「60代」「シニア」「高齢者」とか、「シニア歓迎」「高齢者応援」「60代活躍中」など自分に関連する情報を入力して検索してみよう。
ハローワークインターネットサービスや各種の求人サイトには、求人案件を絞り込むための「検索機能」がついています。
サイト毎に「詳細検索」「こだわり検索」「フリーワード検索」など名称はさまざまですが、これをうまく使って、効率的にシニア向けの求人を探し出す必要があります。
ハローワークの場合
検索条件
●検索条件 以下の内容で検索しました。
調査日 2022/6/1
求人区分 一般求人「フルタイム」
年齢 60歳
就業場所 都道府県の県庁所在地
希望する職種 指定しない
雇用形態 正社員
賃金 指定しない
●検索結果1
人口 順位 | 都道 府県名 | 年齢 不問の 求人数 | 年齢制限 ありの 求人数 (18~64) | 合計 |
2位 | 神奈川県 横浜市 | 746 | 2,445 | 3,191 |
10位 | 静岡県 静岡市 | 234 | 659 | 893 |
20位 | 岡山県 岡山市 | 396 | 934 | 1,330 |
30位 | 長崎県 長崎市 | 146 | 424 | 570 |
40位 | 和歌山県 和歌山市 | 121 | 375 | 496 |
シニア向けの求人数を抜き出す
これは全年齢に対する求人数です。この中から「シニア向けの求人数」を抜き出す必要があります。
ハローワークインターネットサービスの検索条件(フリーワード)を使って、シニア向けの正社員求人を探し出します。
フリーワード検索 「シニア」または「高齢者」
人口 順位 | 都道 府県名 | フリー ワード シニア | フリー ワード 高齢者 | 合計 |
2位 | 神奈川県 横浜市 | 17 | 297 | 314 |
10位 | 静岡県 静岡市 | 8 | 78 | 86 |
20位 | 岡山県 岡山市 | 9 | 93 | 102 |
30位 | 長崎県 長崎市 | 1 | 49 | 50 |
40位 | 和歌山県 和歌山市 | 0 | 42 | 42 |
人口 順位 | 都道 府県名 | すべての 年齢層 | シニア 向け | 比率 |
2位 | 神奈川県 横浜市 | 3,191 | 314 | 9.8% |
10位 | 静岡県 静岡市 | 893 | 86 | 9.6% |
20位 | 岡山県 岡山市 | 1,330 | 102 | 7.7% |
30位 | 長崎県 長崎市 | 570 | 50 | 8.8% |
40位 | 和歌山県 和歌山市 | 496 | 42 | 8.5% |
合計 | 6,480 | 594 | 9.2% |
全年齢に対する正社員求人に比較して
シニア向け求人は9.2%しかない
求人サイトの検索機能を使って、
シニア向け求人を抜き出す!
検索ボックスに
以下の単語を入力してみる!
- ハローワークの場合
- フリーワードは「高齢者」
- ハローワーク以外の場合
- 「50代」「60代」「シニア」「高齢者」
- 「シニア歓迎」「シニア応援」「シニア活躍中」
- 「60代歓迎」「60代応援」「60代活躍中」
【転職成功例1】不採用のたびに原因を追究し対策を実施。求職者レベルをUPする!
ご存じのように、シニアの転職や再就職における状況は、まことに厳しいものがあります。
しかし、数少ないながら、スペシャリスト(専門職)ではないゼネラリスト(専門職以外)の方であっても、正社員として「望みの仕事」に就かれる方はおられます。
ここで紹介するのは、転職に成功されたシニアの「血と汗と涙」が混ざった、リアルな「転職成功例」です。
転職・再就職に成功するシニアの共通点
これら転職・再就職に成功した方たちには、3つの共通点があります。
転職・再就職に成功するシニアの共通点
- やりたい仕事がハッキリしている
- 絶対にあきらめない
- PDCAサイクルを回し求職スキルを向上させられる
シニアで転職・再就職の難関を突破するのは、これらを「全て持っている人」です。
特に3番目が大切です。不採用の度に「PDCAサイクルを回し、自分の求職スキル・ノウハウを向上させられるかどうか」がポイントです。
シニアで転職・再就職に成功する人
どうしても「この仕事」がしたい!
「この仕事」以外は絶対にダメだ!
と思い込んでいる人です
共通点1 やりたい仕事がハッキリしている
ここに関しては、看護師、薬剤師、税理士、建築士、IT・Webエンジニアなどスペシャリスト(専門職)の方を例にして説明します。
これらの方たちは、国家資格を取得し、長年その職だけに従事し、仕事に関する「膨大な経験とスキル」を有しています。いわば生涯のほとんどを費やして、その仕事だけに従事してきた人です。
ゆえに、他の仕事は眼中にありません。働くなら「この仕事」と決めています。
ただし、スペシャリスト(専門職)だけでなく、ゼネラリスト(専門職以外)の中にもこうした方はおられます。
共通点2 絶対に諦めない
「勝つまでやれば、勝負ごとに負けはない」ということです。
武田信玄の名言にもあるじゃないですか。
「為せば成る、為さねば成らぬ、成る業(ワザ)を、成らぬと捨つる人の儚き」。
転職や再就職活動において、不採用が続くと、断られるたびに転職・再就職のノウハウが蓄積されていきます。それによって、「求職者としてのスキル」が少しずつ上がっていきます。
その状態で諦めずに続けていれば、そのうち「何かしらの可能性やチャンス」が必ず訪れます。
そこで「絶対に成功する」とは言いませんが、諦めない限り「まだ勝ってはいないが、負けたと決まったわけではない」という状況が続くことになります。
つまり「まだ勝負はついていない」「勝負の途中」なのです。
こんなこと、誰しも頭ではわかっています。ただ、それを途中で諦めてしまうのが「凡人であり、普通の人」でしょう。
大学受験の合格体験談で知ったこと
私事で恐縮ですが、いまから40数年前、塾長コンドーも大学受験の季節を迎えていました。
まったく勉強しなかったというわけではありませんが、無計画にダラダラと時間をかけていました。いま考えてもメッチャ非効率なやり方だったと思います。
当時、人並に受験雑誌とやらを買い、何人かの合格体験談を読んで気づいたことがありました。
超難関大学に合格する人は、他の人とまったく違う
東京大学や京都大学などの超難関大学に合格した人の合格体験談は、他の人と全く違いました。ひとりの受験生のなかに「優秀な作戦参謀」と「優秀な野戦指揮官」が混在していたのです。
まずは優秀な作戦参謀の登場です。
自分の各教科の成績を分析し、優れている点や弱い点を洗い出します。つぎにセンター試験までの残り時間を計算し、いつ、どの教科を、どういうやり方で勉強するかを綿密にプランニングしていきます。こうやってセンター試験までの完璧な学習プランが出来あがります。
つぎは優秀な野戦指揮官の出番です。
作戦参謀が立てた作戦を完全に理解し、強い意志力(自己統率力)で、着実にプランを実行していきます。問題が発生したら、原因から対策を考え、臨機応変にプランを修正していきます。
本当にスゴイです。
各々学習プランの内容こそ違いましたが、超難関大学に合格した全員がこういうやり方でした。例外は一人もいませんでしたよ。
17歳の俺にはとても無理だった。まず頭が悪くて綿密な学習プランが作れない。アバウトな時間設定でダラダラ勉強する。もし仮に、緻密なプランが作れたとしても、絶対にプランどうりに実行できない。だって、そんな意志力ないもの。トホホ……(泣)
あんさん学問はあかんかったけど、天然理心流の剣技で幕臣までいきはったやんか。他の長所を伸ばしたらええんとちゃいますか?
共通点3 PDCAサイクルを回し求職スキルを向上させられる
第二次世界大戦後、日本において「エドワーズ・デミング」が統計的品質管理の講演をしました。
これを聞いた「日本科学技術連盟の幹部」が、PDCAサイクルという品質管理の手法を提唱しました。
PDCAサイクルは「業務を計画的に確実に進めるためのマネジメント手法」
Plan(計画) ⇒ Do(実行) ⇒ Check(評価) ⇒ Action(改善)
この4段階を繰り返して、
業務を継続的に改善し続けます
PDCAサイクルで求職スキルを改善した例
●応募者:女性(60歳)
長年PCを使ってさまざな業務に従事してきた
●希望職種:PCを使ったデスクワーク
●現在の状況
転職サイトとハローワークで求人を探し、数社に応募書類を送ったが、全て書類選考で落とされた。
年齢は60歳。数社に書類を送ったけど、全て書類選考で落とされた。まぁ、普通の人ならここで正社員を諦めて、派遣かパートを仕事を探すよね。俺だってそうすると思う。でも、この人は諦めなかったんだ!
1回目のスキルアップ
応募書類のグレードアップ
PDCAサイクル 1回目 | |
PLAN | 応募書類のグレードアップ |
DO | 実績とスキルを含んだ 詳細な職務経歴書を作成する |
CHECK | これで書類選考はパスしたが 面接時の受け答えがダメだった |
ACTION | 面接対策を講ずる必要がある |
2回目のスキルアップ
ハローワークの面接講座に通う
PDCAサイクル 2回目 | |
PLAN | 面接対策をネットで検索 |
DO | ハローワークの面接講座に通う |
CHK | 面接はうまくいったが 「君のPCスキルは過去のものだ」 とPCスキル自体を否定された |
ACTION | PCスキルを証明する必要がある |
3回目のスキルアップ
マイクロソフトオフィススペシャリストの取得
PDCAサイクル 3回目 | |
PLAN | PCスキルを証明するため MOSの取得を決意する |
DO | マイクロソフト オフィススペシャリスト (MOS)の試験を受ける |
CHECK | MOSの資格を取得 |
ACTION | MOS資格証明をつけて応募する |
「60歳のお婆ちゃん」がMOSを勉強して取得するなんて! 本当にスゴイ! 拍手、パチパチパチ!
ごっつうえらい姐さんどすなぁ。60歳からの手習いなんて、わてにはとてもとても……。
4回目のスキルアップ
応募先を人手不足の介護・福祉業界にしぼる
PDCAサイクル 4回目 | |
PLAN | 応募先を人手不足の 介護・福祉業界にしぼる |
DO | 数社にMOS資格証明をつけて応募する |
CHECK | そのうち一社から内定を得る |
ACTION | 無事入社してに仕事に励む |
内定を得るまでに「求職スキル」
を4段階向上させている
- 応募書類のグレードアップ
- ハローワークの面接講座に通う
- マイクロソフトオフィススペシャリストを取得する
- 応募先を人手不足業界に絞る
この就職活動を実施した
60歳の女性は実在します
(フィクションではありません)
この実例が示すとおり、シニアが正社員で「転職・再就職に成功する」ことは「難関大学に合格する」くらい難しいことです。無計画で漠然と活動するだけでは不可能です。
やり方は、PDCAサイクルではなく「問題解決能力を使う」でもいいです。
自らプランを作り、結果を評価し、解決策を決定する「優秀な作戦参謀」と、強い意志力(自己統率力)で着実にプランを実行する「優秀な野戦指揮官」 が必要になるのです。
転職・再就職に成功するシニアが
持っている共通点3つ
- やりたい仕事がハッキリしている人
- 絶対にあきらめない人
- PDCAサイクルを回し求職スキルを向上させられる人
【50代のシニア必見】60歳定年後のベストな道はどれだ?
一律定年制を採用している企業の定年年齢は、
60歳 91.1%
61歳以上 8.7%
65歳以上 6.2%
9割以上の企業が60歳で定年です。
2020年3月1日(公布)【高齢者雇用安定法】により、企業には雇用する労働者について65歳までの雇用義務が課せられました。
定年を65歳未満に定めている事業主には、この法律によって「65歳までの定年引上げ」「定年の廃止」「65歳までの継続雇用制度の導入」のいずれかの措置が義務付けられています。
「65歳までの継続雇用制度」には「勤務延長制度」と「再雇用制度」があります。
- 65歳までの定年引上げ
- 定年の廃止
- 65歳までの勤務延長制度
- 65歳までの再雇用制度
勤務延長制度とは
勤務延長制度とは、継続雇用制度の一つで、従業員本人が継続雇用を希望することで、定年年齢に達した従業員を退職させることなく雇用を延長する制度です。
勤務延長制度は、雇用形態や仕事内容、役職、賃金などの雇用状況をそのままに、勤務する期間だけを65歳まで延長します。
要するに、定年年齢が60歳から65歳に延長される制度です。したがって60歳の時点で退職金は支払われません。
再雇用制度とは
再雇用制度とは、定年年齢に達した従業員を一度退職扱いにし、再び雇用して雇用期間を延長する制度のことです。
高齢者の雇用確保措置を実施している企業の79.3%が導入しています。一律定年制を採用している企業の定年年齢は、60歳定年が 91.1%です。
そのうち79.3%が「再雇用制度」を導入しているということは……。
0.911 × 0.793 = 72.2%
企業で働く人の「72.2%が再雇用制度を利用」していることになります。すなわち、60歳を迎えた人の進む道、主流は「再雇用制度」になります。
再雇用後の雇用形態は、以下の通りです。
- 正社員 41.6%
- 嘱託・契約社員 57.9%
- パート・アルバイト 25.1%
再雇用制度のメリット・デメリット
- 慣れ親しんだ職場で働ける
- そのまま仕事を継続できる
(長年働いてきたた会社だから、
内面や体質を理解している) - すぐに働き始めることができる
(休職期間がない) - ゼロから仕事を探す必要がない
- 働いた分、厚生年金の受給額が増える
(老齢厚生年金の加算額に影響する)
- 給料が大幅に下がる
(定年前の5~6割が多い) - 仕事内容や役職が変わってしまう
- 1年契約を更新する有期雇用契約
- 5年間限定の仕事
MAX65歳までしか働けない
再雇用で苦しんでいる人がいる
『中国新聞デジタル』に、再雇用に関する「悲惨な記事」があったので転載しました。
『シニアの悲哀 再雇用「終わった人」なのか』
中国地方の中堅企業で再雇用の嘱託社員として働く男性(62)は、居心地の悪さを嘆く。慣れない仕事で給料は4分の1。後輩もよそよそしい。「完全に蚊帳の外。40年近く会社に尽くしても、年を取ると『終わった人』扱いです。
営業畑が長いのに定年後の配属先は経験のない総務系。男性の会社では希望の職場を選べず、行先は人事が決める。
新しく覚えることは多いが記憶力がついて行かず、老眼でパソコン画面がかすむ。凡ミスして娘くらいの若い子から注意されるのが何とも切ない。「使えない中古人材と思われているんですかね」とため息をつく。
40代の年下上司との関係も微妙だ。相手はビジネスライクな態度で、雑談もない。よかれと思って自分の体験談を話すと面倒くさそうに流される。
会議や職場のメーリングリストには入れず、社内情報の共有もできない。飲み会の誘いもなくなった。定年前は同僚とランチを楽しんでいたのに、今は1人。公園のベンチで食べるコンビニ弁当は味気ない。「フルタイムだけに1日が長くて…」と苦笑いする。しかも給料は新入社員以下。最低賃金レベルの時給制でボーナスも出ない。
それでも会社に残ったのは妻の強い希望だ。住宅ローンの返済は終わったが、3人の子供の教育費にお金を費やし、老後資金は心もとない。現実は厳しい。
会社はシニアを積極的に再雇用する方針だが「国の要請だから仕方なく、が本音ですよ」。聞けば人件費をひねり出すために若い社員の給与水準を下げるらしい。当然、彼らの不満の矛先は自分たちに向かう。針のむしろの中で、65歳まで我慢できるだろうかー。最近パートでもいいから、社外で職探しをしたいと思い始めた。
【この働き方大丈夫?】第8部 シニアの悲哀<1> 再雇用「終わった人」なのか
https://www.chugoku-np.co.jp/living/article/article.php?comment_id=721495&comment_sub_id=0&category_id=1190
これマジで酷い。中国新聞の記事だからデタラメではないだろうけど、もし本当にこうだったら、再雇用ではなく「単なるリストラ部屋」だよ。60歳を過ぎて未経験の仕事をやらされ、最低賃金レベルの時給制なんてアリエナイ(怒)。知り合いだったら「グズグズしないでサッサと辞めろ」と言ってる。俺がもっといい仕事を見つけてやる!
ホンマに可哀そうやわー。こんなお勤め先は辞めた方が良ろしおす。あんさん、シニアの方って、そんなにお仕事少ないのどすか?
再雇用をエンジョイしている人もいる
塾長コンドーの実兄の話で恐縮ですが、兄はいま63歳で再雇用期間の真っただ中です。前職がNTTなので「NTT〇〇〇」というNTTの子会社で働いています。
仕事の内容は定年前と同じだそうが、給料が大幅に下がった(半分?)ようです。
最初こそ「同じ仕事なのに給料が下がった」などと愚痴っていましたが、再雇用期間も早や3年目、傍目からだと「再雇用期間を存分にエンジョイ」しているように見えます。
- 夕方6時頃に電話すると既に自宅にいる
(民間企業の感覚ではありえない) - 定期的にNTT時代の仲良しグループと飲みに行っている
- 休日は、趣味の大型バイクでツーリング三昧
NTTの前身は「電電公社」です。もともとは「固定電話事業を独占していた公社」であり純粋な民間企業ではありません。
いわゆる独占企業ですから、一般企業と比べて経済的に余裕があり、何事につけノンビリしています。もちろん再雇用制度もユッタリと設計されています。
そのうえ、60歳で定年退職し、すでに退職金も受け取っています。そうした事情もあり「悟りの境地」に入って楽しんでいるようです。
再雇用制度の良し悪しは、
あくまで所属する企業次第
まずは勤めている会社の再雇用制度
その「中身」を確認してみよう!
自社の再雇用制度の労働条件が
あまりに酷い場合は
転職・再就職の選択もアリ
(滅多にないとは思います)
定年後の3つのコース
ゼネラリスト(専門職以外)の方は、60歳の定年後に3つのコースがありあます。
●定年後に想定されるキャリア3つ
- 転職・再就職する
- 独立・起業する
- いまの会社で働き続ける再雇用
(約8割の人が選択)
早期退職制度に飛びつくのは非常に危険
転職するにしろ、独立・起業するにしろ、周到な調査・準備を省いて「安易に早期退職優遇制度に飛びつく」のは「最も危険な行為」です。
転職・再就職のハードルは高い
スペシャリスト(専門職)ならともかく、ゼネラリスト(専門職以外)にとって50代以降の転職・再就職のハードルは高い。非正規雇用の派遣社員やパート・バイトならともかく、正社員での転職・再就職となると状況は厳しい。
因みに、ネットで紹介されている「50代にオススメの仕事」って何か知っていますか?
1.警備員
2.タクシー運転手
3.介護士
(警備員さん、タクシードライバーさん、介護士さんの仕事を悪く言いたいわけではありません。いずれも社会に必要な仕事で、日々大変お世話になっています)
ゆえに、何もリサーチせず「俺の実力なら就職先くらいあるさ」なんて甘い考えで、早期退職優遇制度に飛びつくのは非常に危険です。
シニアの転職・再就職は年収が大幅にダウンする
50代以降の転職は、よほどの専門的なスキルがない限り、収入の現状維持は困難です。特に大企業に勤める人は大幅な給与ダウン必至。たとえ運よく転職できたとしても、年収が半分以下になる可能性が極めて大きい。
そのうえ、離職後1年以内に次の仕事が決まる割合も55歳以上は4割しかありません。下手をすると1年以上無職になる可能性だってあります。
それでもさまざまな理由により「どうしても転職・再就職したい」のであれば、悪いことは言いません。複数の転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーに相談してみることです。
登録の目的は、あくまで「転職の可能性と待遇(年収)の確認」です。その結果を見たうえで、チャレンジするのが無難というものです。
起業とは9割が失敗するもの
サラリーマンが「転職や再就職すること」と「独立・起業すること」を比較したら、後者が数段難しいことくらい誰でもわかります。
そりゃそうでしょう。「雇われて働くこと」と「何かのビジネスを成立させること」を比べたら、後者が数段難しい。
起業の成功率について「9割が失敗する、1割しか生き残れない」という話を聞いたことはありませんか。
実際に「9割失敗する」かどうかはともかく、起業とは数多くのリスク(不確実性)がつきまとう「リスクの塊」であることは間違いありません。
●帝国データバンクの統計データによる「企業の生存率」
企業の10年後の生存率 : 70%
企業の20年後の生存率 : 52%
企業の10年後生存率は7割と、なかなか高い数値です。しかし、このデータは大企業を含んだものです。小規模企業だけにデータを絞れば、7割からさらに下がることが予想されます。
●日経ビジネスによる「ベンチャー企業の生存率」
起業5年後 : 15.0%
起業10年後 : 6.3%
起業15年後 : 0.3%
いまの会社で働く「再雇用」がベスト
いま一度、再雇用のデメリットを確認してみましょう。
- 給料が大幅に下がる(定年前の5~6割)。昇給はない
- 仕事内容が変わる可能性があり、役職もなくなる
- 再雇用されたら、1年毎に契約を更新する非正規従業員
- 病気になっても休業規定の対象ではなく「翌年の契約更新なし」もありうる
- プロ野球選手の1年契約と同じような感じ
それでも「再雇用がベストの選択」です。下手に転職・再就職しようものなら、年収200万円の非正規雇用に陥ってしまう可能性大。
さらに、下手に独立・開業なんてしようものなら「数年で退職金はパー」になり「借金を抱えて一家離散」もありうる。
ただし、定年後に”やりたいこと”が明確にあるのなら「是非やってみるべき!」。人生は短い。「終わりよければ全て良し」と言うじゃないですか。人生の終盤における満足感・充実感が全く違います。そうした「定年後の理想形」がこれです!
【仕事探しのコツ】自宅で受ける! オンライン就職支援「東京しごとセンター」
会社を退職して求職期間に入ると、最初の1か月は忙しいものです。まずは、ハローワークで失業保険などの必要な手続きが始まります。
それを終えたら、自分がおかれた現状の把握です。ハローワークや転職サイトの求人閲覧、転職エージェントの登録など、慌ただしく過ぎていきます。
しかし、必要な手続きを済ませて、一通り求人案件を閲覧し、応募したい企業に書類を送ってしまうと静寂が訪れます。それ以降、毎日やることはそれほどないことがわかってきます。
シニア向けの新規求人案件は多くありません。一日1~2時間くらいパソコンやスマホでチェックすればOKです。要するに、毎日ヒマになります。
この時期を無為に過ごすのは、ちょっともったいない。
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何でも関西が一番やと思てましたが、やっぱり東京は違てますなぁー。ビックリどす!
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ビデオ会議アプリケーション「Cisco Webex」を用いたWeb上でのカウンセリングです。
対象年齢:55歳以上
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シニア世代の専門アドバイザーが、キャリアカウンセリングを通じて、仕事に関する様々な相談に応じてくれます。
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東京しごとセンター > 55歳以上の方 > オンライン就業支援サービス > 相談・カウンセリング予約フォーム
オンラインセミナー
シニアコーナーの人気セミナー(ダイジェスト版)を自宅から視聴できます。
配信方法:オンデマンド配信(いつでも視聴可能)
時間:20分程度~
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- 職務経歴書の書き方
- 求人の見方・探し方
- 面接のポイント
- シニア生涯ワーキングセミナー
- 定年退職後の働き方を考える、等
視聴方法 初めてセミナーを視聴する方
シニアコーナーのオンラインセミナーは、研修管理システム「Leaf」を用いて配信されます。
視聴するためには「オンラインセミナーを視聴する(初めての方)」から、希望するセミナーを選択し、「Leaf」の登録をします。
そこで研修管理システム「Leaf」にログインする、ログインIDとパスワードを取得してください。
視聴方法 セミナーの視聴が2回目以降の方
すでにお持ちのログインIDとパスワードを使って利用してください。
オンラインで、シニアコーナーの
就業支援をすべて受けることができる
オンラインだから、全国どこからでも、
自宅のパソコンやスマホから受講可能
【仕事探しのポイント】強者と同じ手法では勝てない。弱者には弱者の戦い方がある
ハッキリ言って、転職や再就職の市場において「シニアは弱者」です。強者は20代のヤングと30代のミドル。
転職サイトや転職エージェントは、強者(ヤング・ミドル)に優しく、弱者(シニア)には冷たい。
強者(ヤング・ミドル)の戦い方は正攻法です。奇をてらわず、就職活動の王道(メインロード)を歩けばいい。
まずは、転職サイト(リクナビNEXT等)を一通り眺めて、各種情報を収集します。(情報とは、求人市場の状況、業界の将来性、応募企業の調査、想定される待遇(年収)など)
つぎに複数の転職エージェント(リクルートエージェント等)に登録して、キャリアアドバイザーからのオファーを待ちます。ただそれだけです。
弱者には弱者の戦い方がある
弱者が強者と同じ「戦い方」をしたら勝てません。
ゼネラリスト(専門職以外)のシニアにとって、転職サイトと転職エージェントはほとんど役に立ちません。
自社の社員でさえ60歳で定年退職させているのに、わざわざ転職サイトやエージェントに求人依頼をするわけがない。
ならば、弱者でも勝てる方法はないのか。
そもそも、弱者の戦い方とは「どんな戦い方」なのか。
弱者でも、やり方次第で勝つことができる
2022年2月、野村克也さんが亡くなられました。ご存じのように、弱小球団を何度も勝利に導いた「プロ野球史上に輝く名将」でした。
生前、こう述べておられます。
『背が低く、体力もなく、技術もセンスもなかった私が、どうやってプロ野球の世界で生きていけるようになったのか? それは「弱者でも、やり方次第で勝つことができる術」を追求し、実践していたからだ』
では、名将の言葉をひも解いて、その教えを乞うてみましょう。
「善人」と「悪人」がいるのではなく、「弱い人」しかいない
そして、その「弱さ」から這い上がれるかどうかは、結局自分自身にかかっている。「人は皆弱者である」これもまた野村の持論である。
弱者は頭を使うしかない
プロ入り4年目でホームラン王を獲得。「なんとかプロでやれそう」と思ったら、まったく打てなくなった。相手バッテリーから研究されたのだ。技術的限界を感じた野村は、データの活用に活路を見出し、再びホームラン王になる。頭を使って技術的限界を超えたのだ。
技術力には限界があるが、頭脳に限界はない
たとえ凡人であっても、頭を使い、徹底的に考えれば天才と十分に戦える。
「考えること」は、才能のない人間の最大の武器である
世の中に天才は一握り。ほとんどの人は凡人である。が、とかく天才というものは考えなくてもできるから、頭を使うことが少ない。そこに凡人が天才に勝るチャンスがある。
大勢が横一列に並んでスタートする競争世界で、弱者が人と同じことをやっていては、勝てないのは当たり前
弱いチーム、戦力が低いチームを補うのが、データ分析だった。
「失敗」と書いて「せいちょう」と読む
人間は、失敗してはじめて自分の間違いやいたらなさに気づく。そして「どうして失敗したのか」「何がいけなかったのか」と反省し、「どうすればうまくいくのか」「何をすればいいのか」を真剣に考える。この過程で人間は成長するのである。
- 人は皆弱者である
- 弱者は頭を使うしかない
- 技術力には限界があるが、頭脳に限界はない
- 「考えること」は、才能のない人間の最大の武器である
- 弱者が人と同じことをやっていては勝てない
弱者の社員採用(型やぶりの入社試験)
つい先日「PREJIDENTO Online」で、日本電産の永守会長(平成のカリスマ経営者)が寄稿された「デキル社員の3つの共通点」という、チョー面白い記事を見つけたので転載しました。
永守重信が考える「仕事がデキる社員の3つの共通点」
創業当時に苦労したことの一つに、人材採用の問題があった。会社を興して数年の間は、新卒採用を計画しても、まったく人が集まらなかった。(中略)
そこで、考えた。一流大学で高等教育を受けた人材が来てくれないのなら、集まってくる人たちのなかから、見どころのある人材を発掘して、私たちの手で一から育てよう。学校の成績を度外視した採用試験で、磨けば宝石のように光る原石を探そう、と。
では、どのような人材が磨けば光る能力をもっているのか。
私は、それまでの会社員生活を振り返り、「この人は仕事ができるな」と感じた上司や同僚たちの顔を思い浮かべながら、一つの結論に達した。
それは、声が大きく、出勤時間が早く、そして食事が早いという、三つの共通点があるということだ。(中略)
「大声試験」と「早飯試験」を実施した結果
このような発想から、まず行ったのが「大声試験」である。
ある文章を学生に読ませて声が大きい順番に採用していくというもので、自信をもって堂々と読んでいるかどうかも選考の基準となった。
また、「早飯試験」も行った。仕出し弁当屋さんにスルメや煮干しをはじめ、よく噛まないと飲み込めないようなおかずばかりを入れてほしいと注文し、この弁当を十分以内に食べた学生は全員合格と決めた。
同じように、マラソンを最後まで走りきった者から順に採用する、試験会場に早く来た者から順番に採用するなどといった型やぶりの採用試験で新卒者を採用して、世間のひんしゅくを大いに買ったものだ。
しかし、現在、日本電産グループの屋台骨を支えている人たちを見ると、このときに採用した人材がその後もすばらしい成果を挙げてくれていることがわかる。
なかでも成果が挙がったのが「早飯試験」で、入社してからの仕事の成績と早飯試験の順位を比較してみると、ほぼ一致していたという後日談もある。
『「学歴では仕事能力はわからない」カリスマ経営者永守重信が考える”デキる社員の3つの共通点”』PRESIDENNTO Online
https://president.jp/articles/-/54073?page=1,2
- 1944年8月28日、京都府向日市生まれ
- 1963年3月、京都市立洛陽工業高等学校卒業
- 1967年3月、職業訓練大学校(現:職業能力開発総合大学校)卒業
- 1973年7月、日本電産を創業
モーター事業において、世界トップシェアを誇る大企業に育て上げる - 2014年1月、日本経済新聞「平成の名経営者ランキング」第1位
「弱者の戦い方」とはどういったものか
年を取れば体力は落ちていく。目はかすむ。物覚えも悪い。
そのうえ、シニアの求人案件は少なく、頼みの「転職サイトや転職エージェント」も役に立たない。すなわち「シニアは弱者」なのです。
こうした状況をどうやって解消するのか。それを考えなければなりません。
●野村克也さんが述べておられます。
「弱者は頭を使うしかない」「頭脳に限界はない」「”考えること”は才能のない人間の最大の武器」
要するに「考えて、考え抜く、徹底的に考える」ということです。
●永守会長が考案した「型やぶりの入社試験」も同じ。
創業からまだ日が浅く、会社には知名度も金もない。それゆえ、新卒採用を計画してもまったく人が集まらない。そこで考えました。
「一流大学で高等教育を受けた人材が来てくれないのなら、集まってくる人たちのなかから、見どころのある人材を発掘して、私たちの手で一から育てよう」
「学校の成績を度外視した採用試験で、磨けば宝石のように光る原石を探そう」と。
「声が大きく、出勤時間が早く、そして食事が早い人」を選抜するという「型やぶりの入社試験」を考案します。
弱者の戦い方は「頭を使って戦う」
考えて、考え抜いて戦う
徹底的に考える
「弱者であることの認識」がスタートライン
定年退職したら、あなたは「大手企業の管理職」ではありません。どこにでもいる「ただのシニア」です。
これに関しては「プロ野球選手」を例にあげるとわかりやすい。
年俸2億円のスター選手だったとしても、引退したら「ただの”ガタイのいいオジサン”」です。そうですよね。違いますか。
同様に「誰もが知っている大手企業で部長だった、課長だった」といっても、定年退職したら「ただのシニア」「どこにでもいる爺さん」なんです。
この事実を、本人がわかっていない。いや、頭ではわかっているが、心がついていかない。認めたくない。
もう一度言います。
定年退職したら、あなたは「大手企業の部長・課長」ではありません。どこにでもいる「ただのシニア(爺さん)」なのです。
定年退職したら「●●会社の部長」
ではなく、ただの「シニア」です
「強者から弱者に変わった」ことを
キッチリと自覚する。
これが就職活動のスタートラインです
スペシャリスト(専門職)とゼネラリスト(専門職以外)
スペシャリスト(専門職)の場合
スペシャリスト(専門職)の方は、シニアになっても仕事はあります。
資格や法律で守られていますし、おおかたの専門職が人手不足の業界に属しています。そのうえ、看護師や薬剤師専門といった、職種特化型の転職サイトや転職エージェントがたくさんあります。
まぁ、スンナリ「正社員で高待遇」とはいかないかもしれませんが、雇用形態(正社員・派遣・パート)の選択と待遇(年収)に関して「どの辺りで手を打つか」の問題だけで、仕事自体は必ずあります。
ゼネラリスト(専門職以外)の場合
60歳以降も働き続けるゼネラリスト(専門職以外)には、いくつかのタイプがあります。
●タイプ1 とにかく仕事が好き。バリバリ働きたい人
とにかく仕事が好き。趣味や家庭生活では真の満足感や充実感を得られないタイプ。
このタイプは企業で出世した可能性が高い人です。すごく仕事好きだから、自然と優秀な成績を残し昇進したはずです。
ゼネラリストで出世したということは、マネージャー(管理職)だったということです。
しかし、このタイプが求めるマネージャー職(管理職)の需要はほとんどありません。
なぜなら、マネージャー(管理職)の候補者は、外部から調達しなくても社内にたくさんいるからです。
辛辣ですが、このタイプの方が満足できる内容の求人は、「まったく無い」といって過言ではありません。
ゆえに、タイプ1のシニアへのオススメは「独立・起業」になります。
●タイプ2 好きな時間だけ働いて、月数万円稼ぎたい
年金も貯蓄もある程度ある。もうフルタイムでバリバリ働くのは嫌だ。
社会との接点や健康維持のために「好きな時間だけ働いて月数万円稼げばいい」というタイプです。
時給1,000円で1日4時間、週5日働けば、
1,000円 × 4h × 22日 = 月88,000円
時給1,000円で1日8時間、週2日働けば、
1,000円 × 8h × 8日 = 月64,000円
派遣とパート・アルバイトなら、シニアに対する求人も多く「月数万円稼ぐ」ことは簡単です。
あとは、できるだけ「楽しく働ける仕事」を探すのがオススメです。
●タイプ3 社員待遇でフルタイムで働き、できるだけ稼ぎたい
問題は、このタイプです。
現状、ゼネラリスト(専門職以外)のシニアが「正社員または社員待遇」の仕事に就くことは、かなり難しい。
自社の社員でさえ60歳で定年退職させているのに、わざわざ外部に求人を出すわけがない。
ゆえに、シニアに対して「正社員の求人」がほとんど無いのです。
どうしても、正社員または社員待遇の仕事に拘るのであれば、求職活動に「弱者の戦い方(求職方法)」を取り入れる必要があります。
「社員待遇」かつ「フルタイム」
で働きたい人は
考えて、考え抜いて戦う
「弱者の戦い方」を
しなければならない
弱者の戦い方(求職方法)を考える
シニアが「仕事を探す方法」ランキング
シニアが転職・再就職のさいに仕事を探す方法は、以下のとおりです。
- 友人・知人の紹介
- 自分の仕事をつくる(独立・起業)
- ハローワーク
- 求人誌・新聞の求人欄
- 求人の貼紙を見て、
直接連絡し履歴書を送る - シルバー人材センター
- 転職サイト
- 転職エージェント
- フリーランス・業務委託
では、これを「弱者の視点に立って」検討してみましょう。
ただし、スペシャリスト(専門職)の方は含まれません。ゼネラリスト(専門職以外)のシニアが対象になります。
順位 | シニアが仕事 を探す方法 | 内容の検討 ・評価 |
1 | 友人・知人 の紹介 | 非常に有効 |
2 | 自分の仕事をつくる (独立・起業) | 他がダメなとき 最後の手段 |
3 | 公的職業紹介サービス (ハローワーク) | 非常に有効 |
4 | 求人誌・新聞 の求人欄 | 有効 |
5 | 求人の貼紙を 見て直接連絡し 履歴書を送る | 有効 |
6 | シルバー 人材センター | 有効だが月5万円 未満のパート程度 |
7 | 転職サイト | 正社員志望だと 役に立たない 派遣とパート・ アルバイトは有効 |
8 | 転職 エージェント | ほとんど 役に立たない |
9 | フリーランス ・業務委託 | スペシャリストの 個人事業主が対象 ゼネラリスト は対象外 |
結論:弱者の「仕事の探し方」は7つ
「シニアが仕事を探す方法」が9項目あります。
第8位:転職エージェント
受付はしてくれるが、肝心のオファーが来ないため、ほとんど役に立たない。
第9位:フリーランス・業務委託
もともとカメラマン、デザイナー、プログラマーなどのスペシャリスト系の個人事業主が用いる手法です。だから、ゼネラリストは対象外になります。
よって、残るのは以下の7項目です。
順位 | 弱者の「仕事の探し方」 | 評価 |
1 | 公的職業 紹介サービス | 非常に有効 |
2 | 友人・知人の紹介 | 非常に有効 |
3 | 自分の仕事をつくる (独立・起業) | 他がダメなとき 有効 |
4 | 求人誌・新聞の求人欄 | 有効 |
5 | 求人の貼紙を見て 直接連絡し履歴書送る | 有効 |
6 | シルバー人材センター | 有効だが 月5万円未満 |
7 | 転職サイト | 正社員志望には 役に立たない 派遣とパートには有効 |
【転職成功例2】オススメの転職方法はコレだ! 安定収入を確保して、長期戦で勝つ!
ご存じのように、シニアの転職や再就職における状況は、まことに厳しいものがあります。
しかし、数少ないながら、スペシャリスト(専門職)ではないゼネラリスト(専門職以外)の方であっても、正社員として「望みの仕事」に就かれる方はおられます。
ここで紹介するのは、転職に成功されたシニアの「血と汗と涙」が混ざった、リアルな「転職成功例」です。
安定収入を確保して、長期戦で再就職成功
ブログ名:『Egao-Kibo 「応援ブログ」』
URL:egao-kibo.com
検索キーワード:「egao-kibo 資格なし49歳で失業したら」
ここでは要約しか書きません。是非ブログ本文を読んでみてください!
49歳のときに勤めていた会社が倒産。もうすぐで50代という時に「どん底の絶望感」を経験しました。
25歳の時からなれ親しんだこの業界で仕事を続けられないかと思い、取引先を回りましたが、不況やいろいろな理由で上手に断られました。
「就職活動なんて何十年もしていない」「特別な免許や資格もない」「50代のおっさんを雇ってくれる会社なんてあるもんか」
求人誌をめくっても警備員や飲食業などのアルバイトが中心です。正直「正規雇用は無理だ」となかば諦めていました。
そのとき目に入ったのが「50代の未経験者歓迎!」の文字です。”タクシー専門求人サイト”の広告でした。
失業後、最初の転職先はタクシー乗務員でしたが、これがけっこう楽しかったです。この仕事をしながら50代からの転職活動を本格的に開始します。
タクシー業務をやりながら探していると40/50代、シニア世代でも歓迎の求人広告や転職サイトがいくつもあるではありませんか! そこから、転職サイトへの登録を応募を繰り返し、転職に成功しました。
タクシーの仕事を続けてもよかったのですが、条件のいい会社からオファーをもらったのでステップアップのため転職しました。
現在の会社に転職するまでに登録した転職サイトは大小合わせて「約20サイト」応募した数は「約200社」になります。そのうち約9割が書類選考で不採用になり、約20社ほど最終選考まで残りました。
現在(2021)は、正社員として都内の人材派遣会社で、取引先管理と登録スタッフの面接などを担当しています。
ポイントは、タクシー運転手として安定収入を得ながら、長期的(年単位)なスパンで就職活動を続けたことに尽きる。50代で、希望通りに正社員で再就職されるなんて、本当に素晴らしい!
ご苦労しはった甲斐がおましたなぁ。ホンマにおめでとうさんどす。
再就職成功のポイントはコレだ!
- 安定収入(タクシー運転手)を確保したこと
- そのうえで、長期的(年単位)なスパンで就職活動を続けたこと
成功ポイント1 安定収入を確保したこと
塾長コンドーも、若い頃何度か転職しました。そのときの経験で、会社を辞めず働きながら転職活動をするほうが「うまくいく確率が高い」ことは知っていました。
何が違うかというと「心の余裕」が違うのです。これが会社選びや面接のときに差となって現われます。
働きながら転職活動すれば、心に余裕があります。お金の心配はないし、無理に転職しないで、いまの会社で働き続けてもいいからです。「いまより”明らかにキャリアアップできる会社”があれば考えよう」とったスタンスです。
だから、転職先は「仕事内容や年収がアップする会社」しか選びません。また、面接のときでも「ここでどうしても働かなきゃいけない」という状況ではありませんから、平常心で受け答えできます。それが高評価となる場合が多いのです。
逆に、会社を辞めて転職活動をスタートしたらどうでしょうか。「ヤバイ。毎月お金が減っていく。早く就職しなければ」というスタンスになります。
こうなると、少しくらい希望と違う会社でも、焦って応募してしまいます。
また、会社訪問時や面接時に「違和感」を持ったとしても「何とか内定もらわなければ」と、深く考えることなく負のイメージを封印してしまいます。その結果、転職時にもっとも大切な”第六感”を生かせず(これが意外と当たる)、転職はできたけど「失敗だった」という結果に陥る可能性があります。
今回の個人ブロガーさんは「会社の倒産」でやむなく就職活動をされていますから、働きながらの転職活動は不可能です。その代わりに、タクシー乗務員として安定収入を確保されたことが正解だったのです!
安定収入を確保する道は、タクシードライバーだけではありません。施設警備員でも介護職でも何でもいいんです。なぜなら、あくまで「希望する仕事」が決まるまでの”繋ぎ仕事”なのですから。
成功ポイント2 長期戦(年単位)で勝利する
成功ポイントの2つ目は「長期的(年単位)なスパン」で就職活動を続けたことです。
ヤングなら長期戦なんて必要ありあません。短期間で転職することが可能です。
まずは”リクナビNEXT”や”doda”のような転職サイトを閲覧し「希望する仕事(ターゲット)」を決めます。
つぎに”リクルートエージェント”や”パソナキャリア”のような転職エージェントに登録します。そこでキャリアアドバイザーと面談し「希望する仕事(仕事内容・年収)」伝えるのです。
直ぐにオファーが来ます。たぶん1~2か月で転職できると思います。まぁ、長くても3ヶ月あれば十分でしょう。
現に、コロナでリストラされた塾長コンドーの甥っ子は、リクルートエージェントに登録し、失業から2か月で「大手人材派遣会社の営業職」に再就職しました。
ところがシニアになると、そう簡単にはいきません。
長期の就職活動に耐えられる体制づくり
会社を辞めて再就職活動に入ると、最初の1か月はとかく忙しいものです。
まずは失業保険など各種の手続きを済ませます。つぎに、いまある求人案件を一通り見て、応募したい企業に書類を送ります。すると、いきなり静寂が訪れます。それ以降、毎日やることはそれほどないことがわかってきます。
というのも、シニアの求人はヤングに比べて圧倒的に数が少ない。おまけに新規案件はポツリポツリしか出てきません。一日1時間くらいパソコンでチェックすればOKです。
転職や再就職するまでの期間は、年齢が上がるほど長くなります。シニアの求職期間は「70%が半年以上かかる」といわれています。
転職や再就職に成功するまでの期間
- 20代~30代 3か月以内
- 40代 3~5か月
- 50代以降 半年以上
だから、シニアの場合は仕事を辞めて就職活動に集中し、短期決戦で終わらせるといった戦法は向きません。
最初から長期戦(年単位)を覚悟し、それに耐えられる体制をとらなければいけません。このブロガーさんの応募回数は以下のとおりです。
「現在の会社に転職するまでに登録した転職サイトは大小合わせて『約20サイト』応募した数は『約200社』になります。そのうち約9割が書類選考で不採用になり、約20社ほど最終選考まで残りました」
タクシー乗務員として働きながら、諦めず、これだけの数の応募を繰り返されたのです。
もちろん大変ですよ。何しろ200社も応募して180社に書類選考で断られているのですからね。費やした時間と費用も半端ないでしょうし、メンタルも相当やられたんじゃないかな。
ただ、この方法は特別ではないと思いますよ。諦めずに継続すれば「誰にでもできる方法」だと思います。この方法なら、きっと「多くの50代シニアが再就職できる」と思いますよ!
安定収入を確保して、諦めず、
長期戦で「望みの仕事」を勝ち取ろう!
【仕事探しのコツ】うまくいかないときは「朝寝・朝酒・朝湯」で Happy!
皆さん、民謡『会津磐梯山』の歌詞に登場する「小原庄助さん」をご存じですよね。
「小原庄助さん なんで身上つぶした 朝寝 朝酒 朝湯が大好きで……」というアノ人物です。
日々、転職や再就職活動を続けていると段々ストレスが溜まってきます。だから、ときどき「ストレス」を発散させる必要があります。
そんなときは「小原庄助さん」を真似してみる。なんていうのは如何がでしょうか ???
休日に少し遅く起きて朝風呂に入る。風呂上がりにチビリチビリと朝酒を楽しむ。いやぁーマジで極楽だね! これ最高!
あんさん、折角のお休なんやからグダグダせんと、どっか遊びに連れて行っておくれやす!
くよくよしない。諦めない
年齢が上がれば採用のハードルも高くなります。自分はシニアなんだから「不採用が当然」と考えて、採用されるまでたくさんの求人に応募するしかありません。
そうはいっても、人間ですから落ちるとメゲます。不採用が何社も続くと、自分が否定された気持ちにもなります。
ただ、若い頃とは状況が違います。あきらめたら、そこで終わり「ゲームオーバー」です。だから、このさきも働きたいと思うなら就職活動を続けていくしかありません。
大切なことは「くよくよしないこと」「諦めないこと」です。
「採用されなかったのは、運が悪かっただけ」「どれだけ落とされても、最後に望みの仕事に就ければOK」というような「開き直った考え方」も必要です。
肩の力を抜いて、マイペースで淡々と続けましょう。
まずはパートやアルバイトで入社してみる
あなたが応募してみたいと思う企業に、パート・アルバイトの求人しかなかったとします。とりあえず、パート・アルバイトで入社してみましょう。
あなたが仕事ができて、お人柄もよければ、「正社員になりませんか」と誘われる可能性大です。
これは、40代の専業主婦だった人の逸話です。最初は給食関係の仕事にパートで入ります。そのあと数回の転職を経て、最後は外資系企業日本法人のCEOにまで昇りつめた人がいます。
また、ある人はご主人が病気になり、やむを得ず50歳からアパレル店のパート店員になります。そこで売上をドーンと伸ばして店長になり、その後エリアマネージャーに昇進。ついにはオーナーから請われて「アパレル会社の社長」になった人だっているのです。
もちろん、このお二人はもともと優秀です。いい学校を出ているだけでなく地頭がいい。そのうえ、ヤル気があって商才もある。三拍子も四拍子も揃った人です。そうでなければ、ここまではなりません。
とにかく、仕事の入り口はどういう形であれ、懸命に働けば「道は開ける」ということです。
就きたい仕事の資格やスキルを取得して再挑戦
就きたい仕事が決まっているのなら、就職活動の期間を使い、その仕事で必要になる資格を取得することです。
●あるシニアの定年後の仕事観
できれば自分の知識や経験が活かせる仕事で、定年後も働き続けたい。
けれど、どんな仕事でもいいわけではない。就きたい仕事はデスクワークです。
でも「若い頃からずっと事務職で、パソコンを使って仕事をしてきた」と伝えても、PCスキルを認めてもらえません。単に年齢だけで足切りされてしまう。
そこで対策を2つ考えました。
【対策①】「自分のパソコンスキルを証明すること」
そのために「MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)」の資格を取得に挑戦しました。
【対策②】どうしても事務職にこだわっていたので、人手不足業界である介護・福祉関係に狙いを定め「介護事務管理士の資格取得」に挑戦しました。
この方は、努力の甲斐あって、無事「介護事務の仕事」に就かれました。
自分の仕事をつくる
定年後に望むような仕事がなかったならば、自分で仕事をつくればいい。シニアの起業とは、まず「自分の働く場所」を「自分でつくること」です。
また、50代60代のシニアが起業に求める価値は、お金ではありません。
- 「好きなことや昔からの夢に打ち込める楽しさ」
- 「自分を活かして働き続けられる喜び」
- 「人に感謝されて社会に貢献できる充実感」
これら「やりがい・生きがいの再発見」こそがシニア起業の醍醐味なのです。
長期戦を覚悟する
転職や再就職するまでの期間、若い頃は3ヶ月程度が一般的です。しかし、年齢が上がるほど長くなる傾向があります。
時間がかかるのは当たり前と覚悟し、焦ることなくじっくりと探すようにしましょう。
転職や再就職に成功するまでの期間
- 20代~30代 3か月以内
- 40代 3~5か月
- 50代以降 半年以上
小原庄助さんを見習おう
シニアの転職や再就職は時間がかかります。求職期間は70%が半年以上かかるといわれています。
とにかく、あせるのはよくありません。長期戦を覚悟し「まな板の上のコイ」の心境でドーンと構えましょう。
求職期間に入ると、最初の1か月はとにかく忙しいものです。
しかし、各種手続きを済ませ、一通り求人案件を閲覧し、応募したい企業に書類を送ってしまうと静寂が訪れます。それ以降、毎日やることはそれほどないことがわかってきます。
シニア向けの新規求人数は多くありません。一日1~2時間くらいパソコンでチェックすればOKです。
こうした状況が続くようになったら、民謡『会津磐梯山』の歌詞に登場する「小原庄助さん」を見習いましょう。
「小原庄助さん なんで身上つぶした 朝寝 朝酒 朝湯が大好きで……」とありますでしょ。これを実践してストレスを発散し、気楽に気長に続けましょう。
ただし、注意点がひとつあります。
くれぐれも「それで身上つぶした」「ハア もっともだ もっともだ」とは、ならないように!