転職・再就職のコツ

【50代60代の仕事探し】 強者と同じ手法では勝てない。弱者には弱者の戦い方がある

50代60代、転職・再就職市場では弱者だ


ハッキリ言って、転職や再就職の市場において「シニアは弱者」です。強者は20代のヤングと30代のミドル。

転職サイトや転職エージェントは、強者(ヤング・ミドル)に優しく、弱者(シニア)には冷たい

強者(ヤング・ミドル)の戦い方は正攻法です。奇をてらわず、就職活動の王道(メインロード)を歩けばいい

まずは、転職サイト(リクナビNEXT等)を一通り眺めて、各種情報を収集します。(情報とは、求人市場の状況、業界の将来性、応募企業の調査、想定される待遇(年収)など)

つぎに複数の転職エージェント(リクルートエージェント等)に登録して、キャリアアドバイザーからのオファーを待ちます。ただそれだけです。

50歳以上、弱者には弱者の戦い方がある


弱者が強者と同じ「戦い方」をしたら勝てません。

ゼネラリスト(専門職以外)のシニアにとって、転職サイトと転職エージェントはほとんど役に立ちません。

自社の社員でさえ60歳で定年退職させているのに、わざわざ転職サイトやエージェントに求人依頼をするわけがない。

ならば、弱者でも勝てる方法はないのか。

そもそも、弱者の戦い方とは「どんな戦い方」なのか。

50歳以上(弱者)でも、やり方次第で勝てる


2022年2月、野村克也さんが亡くなられました。

ご存じのように、弱小球団を何度も勝利に導いた「プロ野球史上に輝く名将」でした。

生前、こう述べておられます。

『背が低く、体力もなく、技術もセンスもなかった私が、どうやってプロ野球の世界で生きていけるようになったのか? それは「弱者でも、やり方次第で勝つことができる術」を追求し、実践していたからだ』

では、名将の言葉をひも解いて、その教えを乞うてみましょう。


「善人」と「悪人」がいるのではなく、「弱い人」しかいない
そして、その「弱さ」から這い上がれるかどうかは、結局自分自身にかかっている。「人は皆弱者である」これもまた野村の持論である。

弱者は頭を使うしかない
プロ入り4年目でホームラン王を獲得。「なんとかプロでやれそう」と思ったら、まったく打てなくなった。相手バッテリーから研究されたのだ。技術的限界を感じた野村は、データの活用に活路を見出し、再びホームラン王になる。頭を使って技術的限界を超えたのだ。

技術力には限界があるが、頭脳に限界はない
たとえ凡人であっても、頭を使い、徹底的に考えれば天才と十分に戦える。

「考えること」は、才能のない人間の最大の武器である
世の中に天才は一握り。ほとんどの人は凡人である。が、とかく天才というものは考えなくてもできるから、頭を使うことが少ない。そこに凡人が天才に勝るチャンスがある。

大勢が横一列に並んでスタートする競争世界で、弱者が人と同じことをやっていては、勝てないのは当たり前
弱いチーム、戦力が低いチームを補うのが、データ分析だった。

「失敗」と書いて「せいちょう」と読む
人間は、失敗してはじめて自分の間違いやいたらなさに気づく。そして「どうして失敗したのか」「何がいけなかったのか」と反省し、「どうすればうまくいくのか」「何をすればいいのか」を真剣に考える。この過程で人間は成長するのである。

弱者に関する野村語録
  • 人は皆弱者である
  • 弱者は頭を使うしかない
  • 技術力には限界があるが、頭脳に限界はない
  • 「考えること」は、才能のない人間の最大の武器である
  • 弱者が人と同じことをやっていては勝てない

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弱者の社員採用方法(型やぶりの入社試験)


つい先日「PREJIDENTO Online」で、日本電産の永守会長(平成のカリスマ経営者)が寄稿された「デキル社員の3つの共通点」という、チョー面白い記事を見つけたので転載しました。

永守重信が考える「仕事がデキる社員の3つの共通点」


創業当時に苦労したことの一つに、人材採用の問題があった。会社をおこして数年の間は、新卒採用を計画しても、まったく人が集まらなかった。(中略)

そこで、考えた。一流大学で高等教育を受けた人材が来てくれないのなら、集まってくる人たちのなかから、見どころのある人材を発掘して、私たちの手で一から育てよう。学校の成績を度外視した採用試験で、磨けば宝石のように光る原石を探そう、と。

では、どのような人材が磨けば光る能力をもっているのか

私は、それまでの会社員生活を振り返り、「この人は仕事ができるな」と感じた上司や同僚たちの顔を思い浮かべながら、一つの結論に達した。

それは、声が大きく、出勤時間が早く、そして食事が早いという、三つの共通点があるということだ。(中略)

「大声試験」と「早飯試験」を実施した結果


このような発想から、まず行ったのが「大声試験」である。

ある文章を学生に読ませて声が大きい順番に採用していくというもので、自信をもって堂々と読んでいるかどうかも選考の基準となった。

また、「早飯試験」も行った。仕出し弁当屋さんにスルメや煮干しをはじめ、よくまないと飲み込めないようなおかずばかりを入れてほしいと注文し、この弁当を十分以内に食べた学生は全員合格と決めた。

同じように、マラソンを最後まで走りきった者から順に採用する、試験会場に早く来た者から順番に採用するなどといった型やぶりの採用試験で新卒者を採用して、世間のひんしゅくを大いに買ったものだ。

しかし、現在、日本電産グループの屋台骨を支えている人たちを見ると、このときに採用した人材がその後もすばらしい成果を挙げてくれていることがわかる。

なかでも成果が挙がったのが「早飯試験」で、入社してからの仕事の成績と早飯試験の順位を比較してみると、ほぼ一致していたという後日談もある。

『「学歴では仕事能力はわからない」カリスマ経営者永守重信が考える”デキる社員の3つの共通点”』PRESIDENNTO Online

https://president.jp/articles/-/54073?page=1,2

永守重信さん経歴 bu Wikipedia
  • 1944年8月28日、京都府向日市生まれ
  • 1963年3月、京都市立洛陽工業高等学校卒業
  • 1967年3月、職業訓練大学校(現:職業能力開発総合大学校)卒業
  • 1973年7月、日本電産を創業
    モーター事業において、世界トップシェアを誇る大企業に育て上げる
  • 2014年1月、日本経済新聞「平成の名経営者ランキング」第1位

50代60代「弱者の戦い方」とは

年を取れば体力は落ちていく。目はかすむ。物覚えも悪い。

そのうえ、シニアの求人案件は少なく、頼みの「転職サイトや転職エージェント」も役に立たない。

すなわち「シニアは弱者」なのです。

こうした状況をどうやって解消するのか。それを考えなければなりません。

野村克也さんが述べておられます

弱者は頭を使うしかない」「頭脳に限界はない」「”考えること”は才能のない人間の最大の武器」

要するに「考えて、考え抜く、徹底的に考える」ということです。

●永守会長が考案した「型やぶりの入社試験」も同じ。

創業からまだ日が浅く、会社には知名度も金もない。

それゆえ、新卒採用を計画してもまったく人が集まらない

そこで考えました。

「一流大学で高等教育を受けた人材が来てくれないのなら、集まってくる人たちのなかから、見どころのある人材を発掘して、私たちの手で一から育てよう」

学校の成績を度外視した採用試験で、磨けば宝石のように光る原石を探そう」と。

声が大きく、出勤時間が早く、そして食事が早い人」を選抜するという「型やぶりの入社試験」を考案します。

弱者の戦い方は「頭を使って戦う」
考えて、考え抜いて戦う

徹底的に考える

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「弱者であることの認識」がスタートライン


定年退職したら、あなたは「大手企業の管理職」ではありません。どこにでもいる「ただのシニア」です。

これに関しては「プロ野球選手」を例にあげるとわかりやすい。

年俸2億円のスター選手だったとしても、引退したら「ただの”ガタイのいいオジサン”」です。

そうですよね。違いますか。


これと同じく「大手企業で部長だった、課長だった」といっても、定年退職したら「ただのシニア」「どこにでもいる爺さん」なのです。

この事実を、本人がわかっていない。いや、頭ではわかっているが、心がついていかない。認めたくない。

もう一度言います。

定年退職したら、あなたは「大手企業の部長・課長」ではありません。

どこにでもいる「ただのシニア(爺さん)」なのです。

定年退職したら「●●会社の部長」
ではなく、ただの「シニア」です

「強者から弱者に変わった」ことを
キッチリと自覚する
これが就職活動のスタートラインです

50代60代【求人の現実】 シニアは弱者だ。弱者の自覚が就職活動のスタートライン! 転職市場では「シニアは弱者」です ハッキリ言って、転職や再就職の市場において「シニアは弱者」です。強者は20代のヤングと30代の...

スペシャリスト(専門職)とゼネラリスト(専門職以外)

スペシャリスト(専門職)のシニア


スペシャリスト(専門職)の方は、シニアになっても仕事はあります。

資格や法律で守られていますし、おおかたの専門職が人手不足の業界に属しています。

そのうえ、看護師や薬剤師専門といった、職種特化型の転職サイトや転職エージェントがたくさんあります。

まぁ、スンナリ「正社員で高待遇」とはいかないかもしれませんが、雇用形態(正社員・派遣・パート)の選択と待遇(年収)に関して「どの辺りで手を打つか」の問題だけで、仕事自体は必ずあります。

ゼネラリスト(専門職以外)のシニア


60歳以降も働き続けるゼネラリスト(専門職以外)には、いくつかのタイプがあります。

タイプ1 仕事が大好き。バリバリ働きたいシニア


とにかく仕事が好き。趣味や家庭生活では真の満足感や充実感を得られないタイプ。

このタイプは企業で出世した可能性が高い人です。すごく仕事好きだから、自然と優秀な成績を残し昇進したはずです。

ゼネラリストで出世したということは、マネージャー(管理職)だったということです。

しかし、このタイプが求めるマネージャー職(管理職)の需要はほとんどありません。

なぜなら、マネージャー(管理職)の候補者は、外部から調達しなくても社内にたくさんいるからです。

辛辣ですが、このタイプの方が満足できる内容の求人は、まったく無い」といって過言ではありません。

ゆえに、タイプ1のシニアへのオススメは「独立・起業」になります。

60歳定年後の【独立・起業】 仕事大好きシニアにオススメ。自分の仕事をつくろう!定年後に望む仕事がなかったら、お金をかけずに起業して「自分の働く場所」を自分でつくればいい。シニア世代の多くが起業に求める価値はお金ではありません。「好きなことに打ち込み社会の役に立つ」「やりがい・生きがいの再発見」こそがシニア起業の醍醐味です。...

タイプ2 好きな時間働いて、月数万円稼ぎたいシニア


年金も貯蓄もある程度ある。もうフルタイムでバリバリ働くのは嫌だ。

社会との接点や健康維持のために「好きな時間だけ働いて月数万円稼げばいい」というタイプです。

時給1,000円で1日4時間、週5日働けば、
1,000円 × 4h × 22日 = 月88,000円 

時給1,000円で1日8時間、週2日働けば、
1,000円 × 8h × 8日 = 月64,000円 

派遣とパート・アルバイトなら、シニアに対する求人も多く「月数万円稼ぐ」ことは簡単です。

あとは、できるだけ「楽しく働ける仕事」を探すのがオススメです。

60歳定年後の【パート・アルバイト】 できるだけ「楽しく働ける仕事」を探そう!   60歳以降も働くゼネラリスト(専門職以外)のタイプ 60歳以降も働き続けるゼネラリスト(専門職以外)に...

タイプ3 正社員で働き、できるだけ稼ぎたいシニア


問題は、このタイプです

現状、ゼネラリスト(専門職以外)のシニアが「正社員または社員待遇」の仕事に就くことは、かなり難しい。

自社の社員でさえ60歳で定年退職させているのに、わざわざ外部に求人を出すわけがない。

ゆえに、シニアに対して「正社員の求人」がほとんど無いのです。

どうしても、正社員または社員待遇の仕事に拘るのであれば、求職活動に「弱者の戦い方(求職方法)」を取り入れる必要があります。

「社員待遇」かつ「フルタイム」
で働きたい人


考えて、考え抜いて戦う

弱者の戦い方」を
しなければならない

50代60代の【仕事の探し】 これが基本! シニアが転職・再就職に成功するセオリーとは? シニアが就職活動をするときの原則(theory) 50代60代のシニアが、転職・再就職をする際の基本、または原則(theory)...