昔から人材派遣が嫌いだった
塾長コンドーは、若い頃から人材派遣が嫌いでした。派遣会社なんて「日当ピンハネ業の一種だろう」などと思っていたくらいで、ごく最近まで嫌いでした。
しかし、よく調べてみると、どうもそうではないようです。
「派遣社員になる」ということは「派遣会社に就職する」ということです。そして「派遣会社の社員として、外部のお客様の所に働きに行く」のです。
ここがポイントです。
ただし、派遣先企業にとって、派遣社員はあくまで他社の人間なので、満足な教育が受けられない。また、転職する際に「派遣社員の経歴」は、職歴(キャリア)として評価されない。といったデメリットは存在します。
それなのに、なぜいまシニア対して派遣労働の検討を勧めるのか?
それはですね。ヤングと違い、シニアになると「派遣労働のメリットが多くなり、デメリットが少なくなる」からです。
ヤングは派遣を避けたほうがいい
なぜヤングには派遣労働を勧めないのか。また派遣社員に向いている人はどんな人なのか。
- 派遣企業での扱いがひどい
- 企業の社員ではないので、待遇が悪くなる
- 時期が来れば契約が切れる社員でしかない
- 正社員と仲良くできない
- いついなくなるかわからない存在
- 仕事にやりがいがない
- 誰でもできる簡単な仕事で、やりがいがない
- 長期間のキャリアが想定しにくい
- 半年から最長でも3年程度で契約が切れる働き方
- 契約が切れたら次の職場に移る
- キャリアのプラスにならない
- 派遣社員として働いた期間はキャリアとしてカウントされない
- 正社員としてどれだけ働いたかが評価される
- 社会からの冷たい視線
- 日本社会は、まだまだ「正社員でなんぼ」の世界
派遣社員に対する風当たりは強い
- 日本社会は、まだまだ「正社員でなんぼ」の世界
- スキルアップできない
- 勤務期間が短い派遣社員は教育してもらえない
- 誰でもできる仕事なのでスキルアップできない
- 賃金も正社員より低い、スキルも経験も正社員より低い、社内に心を許せる同僚もいない
- プライベートを充実させたい人
- 仕事を育児・家事を両立させたい人
- いろんな仕事を経験したい人
- 責任感のある仕事を避けたい人
- ノルマのある仕事から離れたい人
これを読んでいると想像以上にヒドイ。 「賃金も正社員より低い、スキルも経験も正社員より低い、社内に心を許せる同僚もいない」これって何? 何でこんな派遣社員で働かなきゃいけないの? アンビリーバボー!
「派遣社員に向いている人」の中身にビックリどす。「責任のある仕事を避けたい」なんて、「仕事なんかマトモにやる気ありません」ということどすか?
そもそも人材派遣とはなんだ?
人材派遣は、労働者派遣法によって「自己の雇用するよ労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることを業として行うこと」と定められています。つまり「雇用契約を結ぶ会社」と「実際に仕事をする会社」が別なのです。
正社員やパートで働く場合は、企業と雇用契約を直接結んで働きます。
しかし、派遣社員が雇用契約を結ぶのは派遣会社であり、仕事の指揮命令は派遣先企業から受けます。むろん、給与の支払いや福利厚生は、派遣先の企業ではなく派遣会社から支払われます。要するに「自社の社員を、他社に貸して働いてもらう」事業スタイルなのです。
それと、人材派遣には契約期間の上限があります。
【労働者個人単位の期間制限】
派遣先の事業所における同一の組織単位において、同一の派遣労働者を受け入れることができる期間は、原則として3年まで。
派遣社員のメリット
株式会社ビズヒッツ(本社三重県)が派遣社員として働いた経験のある500人を対象に
「派遣社員のメリット・デメリットに関する意識調査」を実施しました。
調査対象:派遣社員として働いた経験のある人
調査日 :2021年4月23日~5月3日
調査方法:インターネットによる任意回答
調査人数:500人(女性349人/男性151人)
ラン キング | 派遣社員のメリット | 人数 |
1 | 希望に合わせて働ける | 127 |
2 | 辞めやすい | 97 |
3 | 責任が軽い | 88 |
4 | 派遣会社によるサポート | 86 |
5 | 時給が高い | 82 |
6 | 残業がない / 少ない | 58 |
7 | いろいろな職場で働ける | 43 |
8 | 仕事が決まりやすい | 41 |
9 | 仕事を探す手間が省ける | 36 |
10 | 人間関係が楽 | 32 |
50代60代は派遣のデメリットが少ない
さきほど、派遣労働のデメリットを7つ挙げました。しかし、シニアの場合このうち3つが消えて、派遣労働のデメリットが少なくなります。
- 派遣企業での扱いがひどい
- 仕事にやりがいがない
- 長期間のキャリアが想定にしくい
- キャリアのプラスにならない
- 社会からの冷たい視線
- スキルアップできない
- 賃金も正社員より低い、スキルも経験も正社員より低い、社内に心を許せる同僚もいない
③シニアは長期間のキャリアを想定できる
60歳以降の派遣雇用には、同一事業所への3年以上の派遣禁止などが適用されません。それゆえ、3年以上長期間のキャリアが想定可能です。
④「キャリアのプラス」にならなくても問題ない
転職の際に「派遣社員として働いた期間」はキャリア(職歴)として評価されません。正社員としてどれだけ働いたかが評価されます。
若い人にとってキャリア形成は必須でしょう。しかし、シニアには関係ありません。あと10年くらい働ければ良いのです。キャリアのプラスにならなくても何ら問題ありません。
⑥「スキルアップ」できなくても問題ない
さきほどと同じ理由になります。若い人にとってスキルアップは重要ですが、シニアには関係ありません。あと10年くらい働ければ良いのです。スキルアップは必要ありません。
50代60代にとって派遣労働はメリットが多い
派遣労働は、シニアと相性バッチリの働き方です。
- 正社員よりも確実に雇用されやすい
雇用するのは派遣会社であり、派遣先企業ではない - パート・アルバイトより時給が高い
- 派遣には定年も年齢制限もない
- 働き方を自由に選びやすい
- 専門性の高い仕事に就ける
技術職や事務職、営業職などの専門性が活かせる
シニアの方に派遣労働をオススメする理由が、わかっていただけましたか。
派遣労働の時給と仕事内容
では実際に、シニアが派遣労働をしたら、
1.時給はいくらくらいなのか?
2.どんな内容の仕事があるのか?
これらを『リクナビ派遣』のWebサイトを使って、実際に調べてみましょう。
この続きは、以下の記事を読んでください。